かわいそうな私ゲーム | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

ビジネスにおけるコミュニケーションにおいて、いや、すべての人間関係の中で、ぜひ覚えていて欲しい事があります。それは、「ゲーム」をしない、している事に気づいたら「ゲーム」をすぐに止めるということです。

 

心理学では、人間関係の中で、同じパターンを繰り返し、なぜか、やめられない、非建設的な関係を「ゲーム」と呼んでいます。

 

一般にゲームと勝ち負けを争う事を意味しますが、それを人間関係の中で行うのが「ゲーム」です。どちらが上か下か、強いか弱いか、正義か不正義か、迫害者か被害者かを争う関係です。マウントの取り合いもこれにあたります。これは信頼関係やパートナーシップとは正反対ともいえるものです。

 

企業やスポーツチームで、または家族や恋人同士でも、よく「悪いあの人、かわいそうな私」ゲームに出会います。

 

スポーツチームにおいては、勝っている、うまくいっている時はいいのですが、負けが込んでくるとこのゲームが始まり、ますますチームの雰囲気は悪くなり、さらに勝てなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。

 

お互いが「あいつの責任だ」「悪いのはあいつだ」「自分はかわいそうな被害者だ」と原囚や責任を追求し非難するのです。結局、自分の責任じゃないということを言い、そこで終りなのです。問題志向です。原因や責任探しばかりして、自分にできる事を放棄してしまいます。

 

人切なのは、問題が起きたら「これは誰の責任か」とかいうことよりも、少しでも問題を解決に進めるために、「私に何かできるか」ということです。「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来」という言葉があります。これは解決志向です。これがポジティブな人間です。

 

 

「私には責任はない、悪いのはあの人だ!」「何も自分にはできることはない」と考えないで、現状や問題の原囚や責任でなく、どうしたら状況が少しでもよくなるか。自分にできることはないかを考えてみることです。

 

大それたことでなく、スモールステップ行動計画ならば、何かしら「私にできること」が見つかるはずでしょう。

 

私たちが考えなければならいのは、「私にできることは何か」「どうしたら少しでも良くなるか」という自分ができる建設的な行動なのです。