弁証法的行動療法の考え2 | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

弁証法的行動療法では、心を二つの状態に分けて考える。それは理性的な心の状態と感情的な心の状態です。

 

理性的な心は、Doing maindで、思慮深く、考えて損得、効率、倫理や道徳、他者との関係、目標、予測などを考える状態です。ユーダイモニック、意味や意義を考え価値を創造していく、建設的であることも多いでしょう。

 

 

感情的な心はBeing maindで、あるがままの心の状態、素直な心、感情、好き嫌い、快不快、今ここの自由な心の状態です。ヘドニック、快楽的、刹那的で人生を楽しんだり、自由に生きていくことかもしれません。

 

 

私たちは、時や状況により、これらの二つの心の状態のどちらかであったりします。しかし、どちらかの心の状態に偏りすぎる場合やパターンがあると問題が出てくるかもしれません。

 

理性的な心、Doing maindに偏ると抑圧的、過剰適応、心や身体の声を無視、仕事依存、ストレス過多の恐れがでてきます。

 

感情的な心、Being maindに偏ると、後先考えない、無鉄砲、無節操、刹那的、身勝手、わがまま、自堕落になる恐れがあります。

 

Doing mindは、 今ここの瞬間をを忘れてしまっています。

Being mindは、瞬間瞬間を経験しているとも言えます。

 

DBTでは、人は、この二つの心の状態のジンテーゼとして賢い心Wise mindを持っていると考えます。人は、皆が賢い心を持っていますが、常に賢い心にある人はいないのです。

 

直接観察するもの以上のもの(直観の智)を認識するのが賢い心でもあります。理性的な分析を必要としない理解、身体の特定の場所で感じることができるのです。

 

 

賢明な心とは各人が持つ内なる英知といえます。内なる英知に達することことが「賢明な心」になることです。内なる英知には、価値ある結果を手に入れるためにスキルフルな手段を特定し、活用する能力が含まれます。

 

また、目下の状況に対する知識や経験、常識にアクセスしてそれらを適用することでもあります。内なる英知に達してそれらを使うことが容易にできる人もいますが、、それが難しい人もいます。

 

次回に続きます。