Al Fresco Object: E.R.Butlerの建築資材
こんにちは、平野佳です!
Alfresco、またはAl Frescoという言葉をお聞きになったことがありますか?
Al fresco: 新鮮な空気の中で アウトドアで
Alfrescoな場所、もの、心のAlfrescoを求めて旅をします.
小さな楽しみ
アクセサリーはお好きですか?といってもネックレスやイヤリングの話ではありません。家の中のアクセサリー、例えばドアノブや引き出しの取手。アメリカでは優れたものを扱う店が結構あります。人気のセレクトショップのチェーンAnthropologieでは、引き出しの取手は人気商品の一つです。
日本では賃貸マンションを改造することは難しいですが、アメリカでは賃貸であっても、壁を塗ったり、可能な限り住居を好みのインテリアに変えて住まうということはごく普通です。家具も古い家具を塗り替えたり、取手を変えたりして楽しんでいます。
さて、骨董街として有名なボストンの通り、チャールズストリートに、E.R.Butler & Co. という建築用ハードウェアのショールーム兼ショップがあります。彼らは、ドアノブ、ヒンジ、取手などを製造販売しており、19世紀から歴史的建築物に対しても建築用ハードウェアを供給してきた他老舗2社が合併吸収し、現在に至っているとのこと。
クラシックなエントランス
アート作品のようなディスプレイです
どうです?きれいでしょう。ちょっとそそられるものがありませんか。私が取手フェチなのでしょうか・・・・・
ただ美しいという理由
このショップの面白いところは、ハードウェアだけではなく、陶器、ガラスそしてジュエリーを一緒に販売しているところです。まるでギャラリーのような趣。まさにただ「美しい」というだけでそこにある、という感じなのです。オーナーの美的センスが感じられます。
建築資材がメインの店に見えないですね。そこで見つけたドイツのガラス器があまりに美しいので、写真に挑戦してみました。どうでしょう?
極薄の入れ子のガラスカップです。薄氷のような感触でしたが、ハードな金属資材と一緒に飾られていて、その意外な組み合わせが素晴らしい。
身につける時計やジュエリーは、服そのものよりストレートに、持ち主の個性や生き方を反映している場合があります。トレンドではなく、その人の経験、人生観、美意識などが映し出されるのですね。同様に、家具や建築のパーツも、小さいながら家のオーナーの意識を主張をするものです。細部まで気が配られているのは、とても素敵なことだと思っています。
Kei Hirano
写真撮影Kei Hirano
Al Frescoな環境:Boston
こんにちは、平野佳です!
Alfresco、またはAl Frescoという言葉をお聞きになったことがありますか?
Al fresco: 新鮮な空気の中で アウトドアで
Alfrescoな場所、もの、心のAlfrescoを求めて旅をします.
アメリカ的なるもの、そしてヨーロッパ的なるもの
ボストンとニューヨーク間は飛行機でほぼ1時間、東京―大阪間のような距離感です。けれどニューヨークの放つエネルギーとは違い、場所によっては静謐な空気の漂う街、アメリカがスタートした街のひとつなのです。ダイナミックなアメリカ的高層ビルと、英国の面影を感じさせる初期の教会などが共存し、一種独特の空気感を醸し出している街、ボストンは私のお気に入りリストに入っています。
Kei Hirano
ちょっとヨーロッパのような印象ですが道が広い。静かな日曜の朝
Kei Hirano
Kei Hirano
アリスが歩いていそうなかわいい街並みはBack Bay
Kei Hirano
Old England meets New England!
1873年にできた歴史的ランドマークTrinity Church と 1976年のJohn Hancock Towerが寄り沿う風景は、いかにも新旧世界が出会う街にふさわしい。何度行っても、やはり眺めたい、撮りたいシーンです。
街の北西地区には、建国当時の様々な建物、州議会、学校、英国軍との衝突場所などをめぐるFreedom Trailというものがあり、道に赤い線が引いてありますから、それをたどっていくとOld meets Newな場所を見て回れるという仕掛けです。
Kei Hirano
これは水陸両用! ボストンの街とハーバード大学で有名なケンブリッジの間にチャールス川が流れていますから、人気の観光車なのです
緑の憩い、Boston Common
街の真ん中には、アメリカ最古の公園ボストン・コモンとパブリック・ガーデンが隣り合っています。独立戦争の前には英国軍が駐留していたりと、歴史物語りの場所でもあるのです。自然の豊かさを残したセントラルパークともまた違い、どこかクラシックな感じすらします。
Kei Hirano
お、あひるの行列?
ボストンは歩ける街です。いや、むしろ歩かないと楽しくない街なんですね。平面上を歩いている間に、時間の違う世界へも入り込んでいる、なんだか4次元散歩のような・・・それを感じられたらボストンの魅力にキャッチされた証しです。アリスのうさぎが待っているかもしれません。
Kei Hirano
うさぎだけじゃないよ、かめだって待っている!
Kei Hirano
Al Fresco Place: Freemans
こんにちは、平野佳です
Alfresco、またはAl Frescoという言葉をお聞きになったことがありますか?
Al fresco: 新鮮な空気の中で アウトドアで
Alfrescoな場所、もの、心のAlfrescoを求めて旅をします.
路地の奥に
ニューヨークは南北を走るアベニューと東西のストリートで碁盤目のように区切られた、極めて論理的な都会・・・というわけでもなく、あれ?と思うところに路地があったりもします。Lower east Side地区のBowery通りをHoustonから南へ下り、そしてRivington通りを東へ入ると、すぐに小さな路地があります。その突き当たりにあるのがFreemansレストランです。
このレストランのコンセプトは、コロニアル時代のアメリカ、つまり17世紀、イギリスに刃向かう、失礼、アメリカという国を作り上げようとした人々がいたころのタバーンなのです。タバーンというのは食堂ですが、レストラン、サロン、そしてインを兼ねたような場所。そういえば、フィラデルフィアに建国のころからあるというタバーンが営業していて、訪ねたことがあります。ベンジャミン・フランクリンやジョージ・ワシントンらが集まって相談ごとをしていたかもしれません。
Freemansは、その頃のタバーンをコンセプトにしているわけです。ですので、インテリアはノスタルジック、そしてメニューにもノスタルジックなものがあります。アメリカのコンフォートフード(おかあちゃんの味)なのでしょう。
結構知る人ぞ知る、でもあるのですが、話題にもなっているので、アメリカの田舎からでてきたおばさんたちが集っているときもあるのでびっくりしたりします。一切宣伝していないそうですが、いつもいっぱいです。何しろ6人以上でないと予約できないので、並ぶのを覚悟しないとなりません。
17世紀の人のようなバーテンダー
後ろの剥製って本物です
賑わっていますね、いつもこんな感じです
開店前出ないとインテリアが良く分からないほど込み合うバー
これは温かいアーティチョークのディップ
Photograph:Kei Hirano
これがお勧め! Devils on horse back 馬の背に乗った悪魔
なんだと思います? プルーンの中にゴートチーズ、ベーコンを巻いてこんがり焼きます
コロニアル時代に本当にこんなもの食べていたんでしょうか・・・・・?日本的にいうなら、江戸時代の肴で酒を飲むってとこですか。 食を楽しむには創造性と想像力がいるってことですね。頭の中をAl Frescoにして、今晩は一杯やってみましょう!
Kei Hirano
写真提供:Freemans Restaurant
Al Fresco Place:Gramercy Park Hotel
こんにちは、平野佳です
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Al fresco: 新鮮な空気の中で アウトドアで
Alfrescoな場所、もの、心のAlfrescoを求めて旅をします.
初めてのNY、ホテルの思い出
はじめてNYを訪ねたのは、もう四半世紀以上も前のことです。実は最初に泊ったのはセントラルパーク・サウスにある、あのプラザ・ホテルでした。というのは、頼んでいた旅行代理店が何かの手違いを起こし、そのお詫びにとプラザを提供してくれたからです。初めてのNYとしてはとてもラッキーな滑り出しです。最上階の、といってもペントハウスやスイートではなく、屋根に突き出した小窓からセントラルパークが望めるという、ちょっとピーターパンがやってきそうな部屋だったことを覚えています。
もうひとつ記憶に残ったのはグラマシー・パーク・ホテルでした。そこは宿泊したわけではなく、訪ねただけだったのですが、古びたアパートメントを思わせる赤いビロードのカーテンが、不思議な空気を漂わせるロビーだったことを思い出します。グラマシー・パークは、鍵を持っている周辺の住人だけが入れる「半プライベート」な公園なのですが、ホテル宿泊者はアクセス可能だったのです。
グラマシー・パーク・ホテル
ごく最近グラマシー・パーク・ホテルを訪ねて驚きました。素晴らしくスタイリッシュなホテルに変貌していたからです。しかもアートに満ち溢れた空間。誰がこのようにしたのだろう・・・・・
ホテルの顔を変えたのはイアン・シュレンジャー、80年代にブティックホテルのコンセプトを世に紹介し、モーガンズ、ロイヤルトン、ハドソンなどで話題を作った人です。ドラマチックなインテリア(彼はチープシックと言います)と共にロビーがクラブ的機能を持つというのがブティックホテルなのですね。実は彼は、70-80年代にスタジオ54やパラディウムで一世を風靡したプロデューサーだったのです。
モーガンズなどを思わせるロビー
でも、実はゆったりしています
このゆったり感はやはり時代というものでしょうか。あるいはグラマシーという地区の持つ空気感に配慮したからなのでしょうか。確かにクラブのようなブティック・ホテルは、泊ってもあまりくつろぐことができません。バブルの頃ならいざ知らず、今の時代、やはり我が家のような安心感と、ギャラリーのような刺激が共存する、というところに新しさがあるような気がします。
ビリヤードをしながら、アートを楽しむ
プライベート・ルーフ・クラブ
プライベート・ルーフ・クラブとガーデンは、ロンドンのジェントルマンズ・クラブとウィーンのボヘミアン・カフェをコンセプトに作られているそう。実はどちらも行ってみたことがありますけれど、こんなにセクシーな場所ではなかったな。ただ、これまでの時間と訪れた人たちの「気」が満ちて、空気がやけに重かったのを覚えています。ここは重くない、NYだからね。「気」が流れている。
最上階からグラマシー・パークを眺めるのもいいかな
でもせっかく泊るのなら、ぜひグラマシー・パークへ入ってみてください。高層ビルばかりがNYじゃない、安らげる住宅エリアです。自分の公園があるなんて、なんとAl Fresco!
これがグラマシー・パークです Wikimediaより
Kei Hirano
写真提供 Gramercy Park Hotel
Al Frescoな人:Chad Carns, Friday Night In!
こんにちは、平野佳です
Alfresco、またはAl Frescoという言葉をお聞きになったことがありますか?
Al fresco: 新鮮な空気の中で アウトドアで
Alfrescoな場所、もの、心のAlfrescoを求めて旅をします.
Friday Night In!
昨日ご紹介したThe Gourmet Bachelor ことChad Carnsは、金曜の夜Friday Night In!と称して、友人を招いたディナーの楽しいひと時を過ごしています。もとは、当時ガールフレンドであった妻のTracyの為に手料理でもてなしていた金曜の夜が始まりです。今は彼のクッキングブックThe Gourmet Bachelorにあるレシピを作って見せてくれます。
これ、何だと思います?南アフリカ産のPepedewというペッパーの一種で、甘酸っぱくちょっとピリッとくる、ちょっとくせになりそうな味わいです。
チーズは3種、La Turという、牛、羊、ヤギのミックス、トリュフ入りPeccorinoは羊、そしてちょっと熟成したAmerican Cheder という組み合わせで、クリーミー、ソフト、ハードと揃っていました。ヤギは苦手なのですが、トリュフ入りペコリーノはくせもなく、なかなかいけましたね。
さて、Chadのパフォーマンスの始まり。まずは一品目、ドライデーツ(なつめ)の中にアーモンドを入れ、セラノハムで巻いて表面をカリっと焼きます。
おいしそうではないですか!いや、おいしかったんですよ。しかも簡単。実はこれによく似た料理を知っています。Davil on horse backといって、コロニアルな時代のアメリカ料理を出す店で食しました。プルーンの中にゴートチーズを入れ、ベーコンで巻いて焼くものです。でもChadのほうが洗練された味でした。ワインはフランスBeaune 1995年もの。ヴィンテージだそうです。
さてメインコース。ポテトとチョリソーの炒めたものの上に、表面こんがり中はジューシーな貝柱が乗っかります。しかしこの人はプレゼンテーションがうまい。さすが広告デザインの人だな。あ、彼はグラフィックデザイン会社を持っているのです。
ほっほっほ、ほくほく貝柱。 ワインは赤です、Perlat Unió 2005、スペイン。チョリソーが入っているからね。もしシェフになるなら、このメニューは入れる、と言っています。
最後はTio Sotoのクリームシェリーがデザートでした。大人の締めくくりかな。本日のワインはこちら。
Chadの笑顔。この人本当にすぐカメラ用のパフォーマンスになります。でも人を楽しませるかわいさがあります。アメリカで(だけではないけれど)売り出すということは、こうでないとね。いかにアピールできるか。人当たり良く、押しはきっちり、それがNYで求められるスキル。
日本人から見ると、あ、そんなに荒く刻んでいいの?とかあったとしてもだ、そんなことはたいして重要ではなーい、という気がしました、まったく。何よりおいしかったし。
キッチンで人をもてなすというスタイルは、なかなか日本人には気がひけますでしょう?なんだか懐の中をのぞかれているような気分になります。あれ、こんな洗剤使ってんのか、とか、冷蔵庫の中汚いなあ、とか、気が気ではない。ところがアメリカのアパートメントの多くは、ドアを開けたら即キッチンなんて多いのです。キッチンは社交の場なんですねえ、ほんとに。
Friday Night In! はシンプルなレシピとカジュアルながらきっちりと選ばれたワインで気持ちの良い夜が更けて行きました。こういうおもてなし、お勧めです。なにしろ人を呼ぶ時、張り切りすぎないことでしょう。
そこがAl Fresco!
Kei Hirano