たまらなく孤独で、熱い街 -53ページ目

『ミステリマガジン700【海外篇】』 杉江 松恋・編

ミステリマガジン700 【海外篇】 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミステリマガジン700 【海外篇】
編者・解説:杉江 松恋

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2014年4月25日

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「決定的なひとひねり」(1943) A・H・Z・カー (訳:小笠原豊樹)

「アリバイさがし」(1965) シャーロット・アームストロング (訳:宇野輝雄)

「終列車」(1950) フレドリック・ブラウン (訳:稲葉明雄)

「憎悪の殺人」(1965) パトリシア・ハイスミス (訳:深町眞理子)

「マニング氏の金のなる木」(1966) ロバート・アーサー (訳:秋津知子)

「二十五年目のクラス会」(1964) エドワード・D・ホック (訳:田口俊樹)

「拝啓、編集長様」(1968) クリスチアナ・ブランド (訳:山本俊子)

「すばらしき誘拐」(1970) ボアロー&ナルスジャック (訳:日影丈吉)

「名探偵ガリレオ」(1961) シオドア・マシスン (訳:山本俊子)

「子守り」(1991) ルース・レンデル (訳:小尾芙佐)

「リノで途中下車」(1952) ジャック・フィニイ (訳:浅倉久志)

「肝臓色の猫はいりませんか」(1946) ジェラルド・カーシュ (訳:若島正)

「十号船室の問題」(2000) ピーター・ラヴゼイ (訳:日暮雅通)

「ソフト・スポット」(2005) イアン・ランキン (訳:延原泰子)

「犬のゲーム」(2003) レジナルド・ヒル (訳:松下祥子)

「フルーツセラー」(2004) ジョイス・キャロル・オーツ (訳:高山真由美)

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いまさら単行本未収録作を集めても面白いわけないだろ、とどなたかが言いそうですがほとんどが面白かった。

奇妙な味っぽいのが多い(好物です)のは編者の好みでもあるのだな。

しいて挙げればラストの切れ味がいい「終列車」、けったくそ悪い(褒めてます)「フルーツセラー」が双璧だろうか。

ただ、アンソロジーはたいてい「版権などで収録できなかった作品が云々」という言い訳が書かれるのだが、面白さの余韻がいっぺんに醒めてしまうので書かないで欲しいね。




『突変(とっぺん)』 森岡 浩之

突変 (徳間文庫)

突変
著者:森岡 浩之

解説:大森 望

(徳間文庫)

初版:2014年9月15日

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こんなに分厚い本はグリシャムの『法律事務所』以来かも。

地球上のある地域が(大きさは関係ないようだ)突然異界にスリップしてしまう。

逆にその地域の周りでは突然異界が現れる訳ですね。

ある町内会程度の大きさの地域がそれに遭遇してしまう物語。

彼らはこの「突然変移」にどう対処するのか。

複数の人物をうまく書き分けながら(視点を切り替えながら)進んでゆくのでリーダビリティは高い。

ハラハラドキドキで面白かったけど、後半やや一つの「事件」に集中し過ぎたのが少し残念かな。


『サムライ・ポテト』 片瀬 二郎

サムライ・ポテト (NOVAコレクション)

サムライ・ポテト
著者:片瀬 二郎

(河出書房新社・NOVAコレクション)

初版:2014年5月30日

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「サムライ・ポテト」

「00:00:00.01pm」

「三人の魔女」

「三津谷くんのマークX」

「コメット号漂流記」

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『NOVA・7』で表題作が気にいって、『NOVA・8』で2編目にがっかりしたものだ。

書下ろしの後半3編は悪くはないのだが、インパクトが今ひとつ。

もっと色々と書けそうな気がするので、今後に期待というところか。




『約束の道』 ワイリー・キャッシュ

約束の道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

約束の道
著者:ワイリー・キャッシュ

訳者・後書:友廣 純

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2014年5月15日

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2014年の作。

表紙をロクに見もしないで買ってしまっていたのだが、こういう表紙は嫌いなんだよね。

父親の心情は理解できないこともないが、すでに手遅れじゃないかな。

わざとハラハラさせようという雰囲気が感じられて読むのが疲れた。


『去年の冬、きみと別れ』 中村 文則

去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)

去年の冬、きみと別れ
著者・後書:中村 文則

(幻冬舎文庫)

初版:2016年4月15日

(2013年9月に幻冬舎より刊行)

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なんとなくタイトルが気にいって購入したお初の作家。

女性二人を殺害した容疑で一審で死刑判決を受け留置中の写真家。

その写真家と姉弟二人きりで育って来た姉。

彼のことを本にしようとする「僕」。

前半はいい雰囲気で進んでいたのだが、後半期待外れの方向に行ってしまったのが、個人的には残念。


『電氣人閒の虞』 詠坂 雄二

電氣人間の虞 (光文社文庫)

電氣人間の虞
著者:詠坂 雄二

解説:佳多山 大地

(光文社文庫)

初版:2014年4月20日

(2009年9月に光文社より刊行)

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なるほど、これが噂の詠坂雄二なのか。

各章の頭にいつも同じフレーズがくるのはそういう訳だったとは。

B級のホラーミステリを読んでいる気分だったが、決して詰まらなくはない。

この作者の「最高傑作」という作品を読んでみたいものだぜ。



『顔のない男~ピーター卿の事件簿Ⅱ~』 ドロシー・L・セイヤーズ

顔のない男―ピーター卿の事件簿〈2〉 (創元推理文庫)

顔のない男―ピーター卿の事件簿〈2〉
著者:ドロシー・L・セイヤーズ

訳者:宮脇 孝雄

解説:真田 啓介

(創元推理文庫)

初版:2001年4月27日

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「顔のない男」(1928)

「因業じじいの遺言」(1925)

「ジョーカーの使い道」(1926)

「趣味の問題」(1928)

「白のクイーン」(1933)

「証拠に歯向かって」(1939)

「歩く塔」(1935)

「ジュリア・ウォレス殺し」(1934)

「探偵小説論」(1928)

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個人の短編集がアンソロジーほどには楽しめないのは、どこか同じような雰囲気になってしまうせいか。

今読むにしては全体的に「そこそこ」なのだが、唸らされるものがない。

セイヤーズはほとんど読んでいないが、長編の方がコクがありそうだな。


『狙った獣』 マーガレット・ミラー

狙った獣 (創元推理文庫)

狙った獣
著者:マーガレット・ミラー

訳者・後書:雨沢 泰

解説:宮脇 孝雄

(創元推理文庫)

初版:1994年12月22日

(1956年10月にハヤカワ・ポケミスより刊行)

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1955年の作。

この手のは大嫌いなんだが、さすがにミラーは読ませますね。

今ならざらに書かれているかも知れないが、一味違います。

ラストはこう言うと不謹慎に聞こえますが、美しい。


『模造世界』 ダニエル・F・ガロイ

模造世界 (創元SF文庫)

模造世界
著者:ダニエル・F・ガロイ

訳者:中村 融

解説:尾之上 浩司

(創元SF文庫)

初版:2000年1月21日

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1964年の作。

50年以上も前の作品なのに、仮想社会を作り仮想の人間に活動をさせるというアイデアに驚いたが、市場調査が一大産業になっているキッチュさが、なんとなくディックを連想してしまった。

オチはなんとなく見えていたので驚きはないが、果てがないとするならば絶望しちゃうかも。


【読書メーター】 2016年4月分

広島カープは4月を終えて貯金4で2位と望外の成績ですが、とりあえず5月は最低5割キープで乗り切ってくれ。

 

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4,890ページ



スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫nex) スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫nex)感想
『午前零時のサンドリヨン』が、まあまあ気にいったので読んでみたけど。 エロスとタナトス(と百合)は感じられないこともないが、なんだかおっさんが無理してやや猟奇をブレンドした少女趣味的な話を書いてみましたという雰囲気がプンプンで(特にあえぎ声)いささか読むのが疲れた。 作者が新境地を開拓しようとしたのか、これに至る途中の4冊も所持しているのだが、期待できるのだろうか。 382ページ
読了日:4月2日 著者:相沢沙呼
女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
訳者が小泉喜美子、解説が瀬戸川猛資ということで、かなり古そうな小説かと思ったがさほどでもなかった。 若い女性がやむを得ずに探偵の仕事をするのだが、その初仕事は依頼人の息子が何故自殺したか。 途中の謎や疑惑は丁寧に解き明かしているし、中身は真っ当な探偵小説(だと思う)。 ただし、真犯人にたどり着く過程が少々雑かなあ。 322ページ(実際は379ページ)
読了日:4月4日 著者:P・D・ジェイムズ
宇宙大密室 (創元SF文庫) 宇宙大密室 (創元SF文庫)感想
40~50年前のだから仕方ないけど、古さは否めない。 まあまあ面白かったのは「イメージ冷凍業」「わからないaとわからないb」「変身」「地獄の鐘が鳴っている」あたりかな。 516ページ
読了日:4月7日 著者:都筑道夫
宇宙大密室 (ハヤカワ文庫JA) 宇宙大密室 (ハヤカワ文庫JA)感想
ハヤカワ文庫JA版も流し読みしたが、字が創元版より小さくて読みにくかった。 313ページ
読了日:4月7日 著者:都筑道夫
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
野球シーズン到来に合わせて読んでみたら、面白い面白い。 旧来のスカウトの経験と勘に頼ったドラフトから、客観的な評価システムで資金力に劣るアスレチックスを常勝球団にしたビリー・ビーン。 投手の物差しは与四死球率・奪三振率・被長打率。打者は出塁率が優れていれば他の欠点(走力や守備力)には目をつぶることで、他球団が低評価の選手をドラフトやトレードで入団させることができる。 15年後の今日も相変わらずGMやスカウトの主観に頼っているような気がするし、日本にも波及しなかったのかな。 462ページ
読了日:4月10日 著者:マイケル・ルイス
ダークゾーン 上 (祥伝社文庫) ダークゾーン 上 (祥伝社文庫)感想
軍艦島を舞台にした人間将棋ならぬクリーチャー将棋7番勝負。 恋人や友人知人が駒になっているが、取られると(殺されると)痛みを伴った死が待っている。 永井豪の「真夜中の戦士」を思い出すが、言及されてた。 何のための勝負なのかは、幕間の「断章」で徐々に語られることだろう。 心理戦は面白いが、この設定はどうなんだろうね。 336ページ
読了日:4月12日 著者:貴志祐介
ダークゾーン 下 (祥伝社文庫) ダークゾーン 下 (祥伝社文庫)感想
戦闘シーンはなかなかだったが、何のための戦闘なのかの鍵を握る「過去」の出来事が、本人には切実だがは読者にそれが届かないのが歯がゆい。 344ページ
読了日:4月14日 著者:貴志祐介
出口なし (角川ホラー文庫) 出口なし (角川ホラー文庫)感想
純粋にゲーム的な監禁ものは少し期待してしまうのだが、「お仕置き」があり得なさすぎるほど非現実的で萎えた。 ラストも怖さを煽ったつもりだろうが・・・。 289ページ
読了日:4月16日 著者:藤ダリオ
郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫) 郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)感想
肌触りがそれぞれに異なる10の短編。 「郵便局と蛇」が一番気に入ったのだが短くて残念。 他ではどれが良かったかなと考えると、どれもいい雰囲気であった。 276ページ
読了日:4月18日 著者:A・E・コッパード
本陣殺人事件 (角川文庫) 本陣殺人事件 (角川文庫)感想
岡山の旧家で婚礼の夜に起きた惨劇を描く表題作はてっきり長編かと思っていたら、200ページくらいの中編。 そのせいか期待しすぎたせいか、色々と出揃ったら即解決篇という感じで「コク」が足りない。 機械トリックを揶揄しているような記述があったが、作者がそれに挑戦するための前フリだったのかな。 出来栄えは、まあ、ね。 あとの2作は期待しなかった分面白かった。 407ページ
読了日:4月21日 著者:横溝正史
逆襲の「野獣館」 (扶桑社ミステリー) 逆襲の「野獣館」 (扶桑社ミステリー)感想
モダンホラー史上屈指の衝撃作(裏表紙より)である『殺戮の〈野獣館〉』の続編。 前作で生き残った人が再登場していたりするらしいので、前作から読めばよかったかも。 もっと言えば前作だけ読めば、さらに言えばどちらも読まなくてもよかったかな。 まず、〈野獣〉がなあ。 なんと言っても怖いのは〈人間〉だよ。 あり得そうもない〈野獣〉を登場させても恐ろしさを感じない。 471ページ
読了日:4月24日 著者:リチャード・レイモン
惑星カレスの魔女 (創元SF文庫) 惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)感想
宮崎駿の表紙なのでなんとなく買ったけど積読だったが、読み始めたら結構面白い。 物語はスぺースオペラ調の冒険また冒険。 交易船の船長がひょんなことから助けることとなった魔女の卵たち。 しかし、行く手には宇宙的規模の危機が待っていた。 さあどうなる。 429ページ
読了日:4月27日 著者:ジェイムズ・H・シュミッツ
死の仕立屋 死の仕立屋感想
あまり感心はしなかったが『マーチ博士の四人の息子』を読んでいたので解説をチラッとのぞいたら、この作者は一作一作毛色が違うというようなことが書かれてたので「ほほー」と買ってみたが、よもやのまさかの落胆のサイコキラーもの。 こんなアホな芸術家ぶったサイコはいないだろうし、警察の無能ぶりも際立っているから、もしかしてパロディかもしれないけど、それでも読むのはツライ。 ラストも驚くところなんだろうが、続きなんか読みたくもないからどうでもいい。 286ページ
読了日:4月29日 著者:ブリジット・オベール

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