たまらなく孤独で、熱い街 -50ページ目

『水時計』 ジム・ケリー

水時計 (創元推理文庫)

水時計
著者:ジム・ケリー

訳者:玉木 亨

解説:杉江 松恋

(創元推理文庫)

初版:2009年9月11日

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2002年の作。

『ナイン・テイラーズ』(セイヤーズ)の本歌取りらしいが、なるほど大聖堂とフェンと呼ばれる広大な沼沢地帯は共通点を感じるが、中身は全くの別物。

事件の現し方も登場人物の書き込みも充分だとは思うが、荒寥とした風景に圧倒されたせいか読むのがいささか疲れた。

さて、入院中の妻の容態はどこかで劇的に良くなるのだろうか。


『眠りなき狙撃者』 ジャン=パトリック・マンシェット

眠りなき狙撃者 (河出文庫)

眠りなき狙撃者
著者:ジャン=パトリック・マンシェット

訳者・後書:中条 省平

(河出文庫)

初版:2014年11月20日

(1997年3月に学習研究社より刊行)

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1981年の作。

組織から抜けようとする殺し屋。

組織は彼を追い詰めようとさまざまな手を使うが・・・。

最初は読みにくかったが、慣れてくると乾いた文体や心理描写をしない書き方にゾクゾクしてくる。

このラストは殺し屋・テリエの望んだことだったのだろうか。


『首切り』 ミチェル・クレスピ

首切り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

首切り
著者:ミシェル・クレスピ

訳者・後書:山中 芳美

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2002年7月31日

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2000年の作。

フランス推理小説大賞受賞作ということで読んでみたのだが、いきなり逃げ惑うような場面に「?」。

突然解雇された主人公だが、リストラされた優秀な人材を一流企業へ斡旋する会社に拾われる。

孤島での三班にわかれての経済ゲーム。

ここで勝者となり晴れてビジネスマンとして再起するはずだったのだが、次第に精神的にもゲームの勝負にも追い詰められてゆく・・・。

エリートが挫折しようがどうでもいいんだが、話が長すぎた。

『カウントダウン・シティ』 ベン・H・ウィンタース

カウントダウン・シティ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

カウントダウン・シティ
著者:ベン・H・ウィンタース

訳者:上野 元美

解説:山岸 真

(ハヤカワ・ポケットミステリ)

初版:2014年11月15日

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2013年の作。

隕石衝突まで3ヵ月弱となった第2作。

かろうじてライフラインは生きているようだが、警察の規模縮小で解雇されたパレスは失踪した夫を探してほしいと依頼される。

見つかる可能性はほとんどないので適当にやればいいのに、愚直に調査をする。

これが彼の矜持なのか。

そして妹のニコの行方は。

待たれよ最終巻。

『今日から地球人』 マット・ヘイグ

今日から地球人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

今日から地球人
著者:マット・ヘイグ

訳者・後書:鈴木 恵

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2014年11月25日

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2013年の作。

リーマン予想とはなんぞやとウィキを見てみたが、素数に関することらしいが何を言ってるのかさっぱりわからん。

そのリーマン予想を解明されることを恐れた宇宙の知的生命が、それを知った人物全員を抹殺するために刺客を送り込んだ。

物語は地球にやってきた宇宙人がその顛末を書いた手記の体裁。

リーマン予想を解明した数学者を殺して成り変わったので、あとはそれを伝えたであろう人物を探して殺せば済むはずだったのだが、音楽や詩作などでヒトを知るにつれて考えが微妙に変わってゆく・・・。

SFらしさは薄いしミステリ的なところは皆無なのだが、アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞にノミネートって・・・。


『火星の人』 アンディ・ウィアー

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

火星の人
著者:アンディ・ウィアー

訳者:小野田 和子

解説:中村 融

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2014年8月25日

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2011年の作。

いやあ、面白かった。

ジャガイモを作って食べて救助を待つのかと思ったら、ハードなサバイバルに口あんぐり。

とても私じゃ生きていけないが、常に前向きに進む主人公のキャラが秀逸。

地球に生まれて良かったなあ。



『霧に橋を架ける』 キジ・ジョンスン

霧に橋を架ける (創元海外SF叢書)

霧に橋を架ける
著者:キジ・ジョンスン

訳者・後書:三角 和代

解説:橋本 輝幸

(東京創元社・創元海外SF叢書)

初版:2014年5月30日

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「26モンキーズ、そして時の裂け目」

「スパー」

「水の名前」

「噛みつき猫

「シュレディンガーの娼館(キャットハウス)」

「陳亭、死者の国」

「蜜蜂の川の流れる先で」

「ストーリー・キット」

「ポニー」

「霧に橋を架ける」

「《変化》後のノース・パークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」

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SFというよりは幻想よりだが、全体的に楽しめたかな。

表題作と「蜜蜂の川の流れる先で」「26モンキーズ、そして時の裂け目」辺りが良かった。

特に表題作は素敵だ。

酸性の霧状のものが川のように流れているので国が分断されているのだが、そこへ橋を架けようという物語。

派手さはないが読ませます。




『ミンコット荘に死す』 レオ・ブルース

ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)

ミンコット荘に死す
著者:レオ・ブルース

訳者・後書:小林 晋

解説:塚田 よしと

(扶桑社ミステリー)

初版:2014年10月10日

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1956年の作。

厄介者の娘婿が自殺したとの連絡をミンコット荘の女主人から受けた歴史教師のキャロラスだが、自殺と決めつけるには不審な点がいくつかあった・・・。

手堅いという雰囲気のクラシックミステリ。

60年前の作品なのでトリックや動機などに新鮮味はないけど、その代わりキャラや会話で読ませる。

甘いものの食べ過ぎには注意しましょう。

『なにかのご縁2~ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う~』 野﨑 まど

なにかのご縁 (2) ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う (メディアワークス文庫)

なにかのご縁 (2) ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う
著者・後書:野崎 まど

(アスキー・メディアワークス文庫)

初版:2014年9月25日

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シリーズ2作目。

今回もゆるくてハートウォーミング。

それなりに読ますけど、この作者に期待しているものはこんなもんじゃない。


【読書メーター】 2016年6月分

6月は11連勝もあって貯金10。

20年前の悪夢を払しょくするには、まだまだ安心できない。

 

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:6,100ページ


ウィンブルドン (創元推理文庫) ウィンブルドン (創元推理文庫)感想
テニス界の最高峰であるウィンブルドンの決勝戦での親友同士の戦いというだけでも痺れるのに、犯罪計画も進行してて二重にハラハラさせる。 親友二人と最強プレイヤーの書き分けや、ツアーの厳しさも描いてます。 まあ、犯罪の方はあくまでもサブですが、それでも当時の最新通信技術を駆使したりと色々と練り込んでますね。 381ページ
読了日:6月2日 著者:ラッセル・ブラッドン
凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫) 凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)感想
目次を見たところでは、エウロパの厚い氷の中をなんとか下った先の「海」で独自に進化した地球外海洋生物に遭遇するのかなと思い込んでいたら、いきなり探査開始から未知の生物に襲われてしまった。 はっきり言ってこのパートが一番面白い。 中盤は未知の生物「サンフィッシュ」を巡っての地球各国の政治的な思惑が大部分でちょっと退屈。 終盤は「サンフィッシュ」が知的生物かどうかというところで、主人公が必死に知的なところを見つけようとしますがどうなることやら。 人間に翻弄される彼らが気の毒ですな。 464ページ
読了日:6月4日 著者:ジェフ・カールソン
スペース・マシン (創元SF文庫) スペース・マシン (創元SF文庫)感想
H・G・ウェルズへのオマージュとは言え、プリーストだし長いしと身構えて読みだしたが、なんて読みやすいんだ。 『タイムマシン』から始まって『宇宙戦争』へと切り替わるが、後半になったら前半のあれこれをすっかり忘れてしまったよ。 それだけ前半も後半も「濃い」ということか。 プリーストは何の狙いがあってこれを書いたのか分からないが、19世紀の雰囲気やモラルは違和感がないような気がする。 566ページ
読了日:6月6日 著者:クリストファー・プリースト
シフト (上) (角川文庫) シフト (上) (角川文庫)感想
前作を読んでからかなり間が空いてしまった。 それでも大まかなところは印象に残っている気がしたが、そうでもなかった。 サイロの誕生と「その後」は仕組まれていたのかな。 341ページ
読了日:6月8日 著者:ヒュー・ハウイー
シフト (下) (角川文庫) シフト (下) (角川文庫)感想
少しずつ明かされる秘密(発端から知る人は残っているのだろうか)。 文字通り息が詰まりそうな世界なのだが、なぜか読ませるし、次作に期待を持たせる。 迫りつつあるのは対決か和解か、残されているのは希望か絶望か・・・。 331ページ
読了日:6月10日 著者:ヒュー・ハウイー
銀河の間隙より (1979年) (ハヤカワ文庫―SF) 銀河の間隙より (1979年) (ハヤカワ文庫―SF)感想
魔術師ものも2冊あるのだが、古い順にまずはこれから。 宇宙からの侵略モノになるのかな。 地球に不時着した宇宙船。 異星人は故郷へ帰るために地球の資源や技術を利用しようとする。 地球側も黙ってはいない。 双方英知を尽くしての心理戦(?)が面白かったが、果たして結末は・・・。 259ページ
読了日:6月12日 著者:ランドル・ギャレット
キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫) キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
1950年代の作品かと思うが、古臭さは感じません。 むしろ、今読んだ方がニヤリとするのもあるかも。 「牧師の愉しみ」は昔「おそ松くん」で笑ったのの元かな。 無論、牧師役はイヤミ。 他も外れなしの面白さです。 393ページ
読了日:6月14日 著者:ロアルド・ダール
さよならの儀式 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫) さよならの儀式 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)感想
2013年の国産SF短編の芳醇な果実(の一部)。 いつのまにか、日本のSF短編も面白く読めるようになったな。 少し軽いのが多いけど。 特に驚いたのが草上仁の「ウンディ」。 おそらく初めてこの人の短編を面白いなと思った。 665ページ
読了日:6月16日 著者:大森望、日下三蔵(編)
人間みな病気 (RHブックス・プラス) 人間みな病気 (RHブックス・プラス)感想
「病気」をテーマにしたアンソロジー。 選者が筒井康隆という事で読んでみたのだが、やはりテーマがテーマだけにややビミョーな読後感。 筒井康隆は何度目かの再読で脱力するほど面白いし、谷崎潤一郎も内田百閒も坂口安吾もいいのだが、遠藤周作の「役立たず」が自虐的で私も似たようなものかと身につまされる。 384ページ
読了日:6月18日 著者:筒井康隆(選)、日本ペンクラブ(編)
三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
ふたつの不可能犯罪は、実は犯人のミスによるものだった! それにしてもフェル博士は相変わらずマイペースですな。 時代を感じさせる室内の大がかりな舞台装置と、一転なにもない路上の舞台の対比もいい。 有名な「密室講義」では未読本のネタバレがないかとひやひやしたが、登場人物が「われわれは探偵小説のなかにいる・・・」というメタ的なところがサイコー。 415ページ
読了日:6月20日 著者:ジョン・ディクスン・カー
フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) フリント船長がまだいい人だったころ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
これほど徹底的に合わない小説も珍しい。 アメリカ中西部のとある漁村は、アラスカへの漁でそれなりに賑わっていた。 だが、漁船団や漁業権を持つオーナーが急死。 放蕩息子の跡継ぎがやってきて皆の前で爆弾発言をしてしまう。 ある男性の、当時は14歳の頃の回想なのだが、結末は大体予想がつくのにネタを小出しにしてくれるものだから、読んでてイライラして仕方ない。 1ページで済む話を300ページも読まされた。 330ページ
読了日:6月22日 著者:ニック・ダイベック
SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー) SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)感想
SFマガジン700号記念アンソロジー国内篇。 質量ともに秋山瑞人の「海原の用心棒」が読ませる。 あとは野尻抱介の「素数の呼び声」が気にいった。 山田正紀も読みたかったが贅沢は言うまい。 512ページ
読了日:6月24日 著者:大森望(編)
SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫SF) SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫SF)感想
密度(あるいは「面白さ」)の濃い、恐るべきアンソロジー。 どれも甲乙つけがたいし、どこを切ってもSFなのでSFを読んでみたい人が読むのにも最適じゃないかな。 国内篇もそれなりだったが、これを読んでしまうと海外篇の圧勝。 しいて挙げれば時間SFが好きなこともあってコニー・ウィリス「ポータルズ・ノンストップ」かな。 このレベルに近いのを今後も望むのは酷なのかもしれないが、年に1冊は読みたいよね。 463ページ
読了日:6月26日 著者:山岸真(編)
月の部屋で会いましょう (創元海外SF叢書) 月の部屋で会いましょう (創元海外SF叢書)感想
SFもファンタジーもホラーも奇妙な味もありますぜ。 非日常の日常というか、非日常に登場人物を放り出しての実験というか、いろいろなテイストがあって結構楽しかったが、続けて読むとさすがに飽きる。 しばらくしてから、ポツポツと読み返してみようか。 301ページ
読了日:6月28日 著者:レイ・ヴクサヴィッチ
宇宙人相場 (ハヤカワ文庫JA) 宇宙人相場 (ハヤカワ文庫JA)感想
初読みの作家ですが、著書はたくさんあるようですね。 病気がちでツンデレ気味の女と出合った、オタクグッズを制作する会社を経営する男35歳。 彼女のために彼は会社を売り在宅でデイトレードを始める。 株と宇宙人はどちらがメインか分からないが(彼と彼女がメインか)、なんとなく読ませてなんとなくほっこりさせてくれます。 295ページ
読了日:6月30日 著者:芝村裕吏

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