2024 安田記念(5歳馬) | 競馬解読教室

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 ここ2年にわたりマイル界をけん引してきたソングラインとシュネルマイスターが昨年現役を引退。これによって、アーモンドアイ、インディチャンプ、グランアレグリアから受け継がれてきたマイル王者のタスキが、途切れてしまったという印象を持っているのは自分だけだろうか。今の日本のマイル界は、明らかに、ここ数年でいえば最もレベルが低いと思う。果たして今の日本のマイラーが強い香港馬に太刀打ちできるのか!?個人的には大きな疑問を感じている。

 

 ここで近年の日本のマイル王の系譜を簡単に振り返っておこう。2019年の安田記念を勝ち、4歳にしてマイル王の座に就いたのがインディチャンプ(③着アーモンドアイ)。そのインディチャンプとアーモンドアイを、2020年の安田記念で撃破してマイル王の地位に就いたのが4歳のグランアレグリア。そのグランアレグリアは5歳になった翌2021年の安田記念では、同じ5歳のダノンキングリーにまさかの敗戦(②着惜敗)を喫して連覇ならず。その21年の安田記念で3歳馬ながら③着に善戦したシュネルマイスターは、明け4歳となる翌年のマイル王に就くと思われていたが、2022年の安田記念では同じ4歳のソングラインに完敗。そのソングラインは5歳になった翌2023年の安田記念でも、前年のNHKマイルCを勝った4歳のマイル王候補セリフォスを破って連覇達成。自身が最強マイラーであることを証明した。これが近年の日本なのマイル界の変遷である。注目すべき点は、強いマイル王というのは、皆、充実期を迎える4歳春に上の世代のマイル王を倒して頂点に立ち、その後2~3年にわたりマイル界を牽引していったという事実である。インディチャンプは4歳時(2019年)に安田①着、5歳時に安田③着、6歳時に安田④着、グランアレグリアは4歳時(2020年)に安田①着、5歳時に安田②着、ソングラインは4歳時(2022年)に安田①着、5歳時に安田①着で連覇達成。つまり、高レベルのマイル界を作るのは、常に4歳のマイル王なのであり、これは別の言い方をすれば、安田記念で4歳世代が結果を残せなかった場合、翌年のマイル界は低迷するということ。昨年の安田記念では4歳馬セリフォスが②着に健闘したが、それでも、強いハズの4歳馬であるセリフォスは、5歳のマイル王ソングラインを倒し、世代交代を果たすことができなかったのは大きな問題。これは日本のマイル界の低迷の前兆であったと思う。そして今年の安田記念の出走馬を見ると、なんと今年は4歳馬が2頭しかいない。これは今年の秋以降、日本のマイル界の更なる地盤沈下の前兆に他ならない。まずは以下を見ていただきたい。以下はインディチャンプが安田記念を勝った2019年以降の安田記念における4歳馬の出走頭数と人気を示したものである。

 

2019 6頭(1人、2人、4人、5人、10人、14人)

2020 4頭(3人5人、6人、9人)

2021 2頭3人、7人)

2022 7頭(1人、2人、3人、4人、6人、7人、15人)

2023 6頭(3人、8人、9人、10人、14人、15人)

2024 2頭(15人、17人)

 

 今年安田記念における4歳馬2頭は、2021年に並ぶ近年の最小出走頭数である。しかも2021年の時はサリオス(3人)がいたが、今年はエルトンバローズが14人気、コレぺティトールが17人気であり、有力馬が皆無。今年の4歳世代は近年最弱と言ってもいいだろう。また、シュネルマイスターやセリフォスなど、過去には3歳のマイラーが安田記念に出走し、好走したケースがあったが、今年は3歳馬の出走もない。3歳馬の出走がなく、4歳馬が近年最弱レベルとなると、自動的に、今年の安田記念は5歳馬に注目せざるを得ない。上記2019~2024年の安田記念に出走した4歳馬のうち、赤色にハイライトした馬は翌年、5歳のときの安田記念で馬券になった馬たちである。今年のようなレベルの低い年は、前年の安田記念で上位人気に推されていたような4歳馬を狙うしかない。2023年の安田記念に出走していた4歳馬とは・・・

3番人気 ②着 セリフォス

8番人気 ④着 ガイアフォース

9番人気 ⑯着 ナミュール

10番人気 ⑥着 レッドモンレーヴ

14番人気 ⑬着 ダノンスコーピオン

15番人気 ⑪着 マテンロウオリオン

 

 昨年の安田記念で3番人気に支持され②着に好走したセリフォスは、今年のメンバーなら、好走確率はかなり高いと考えられる。安田記念で好走した3歳馬というとシュネルマイスターが思い浮かぶが、そのシュネルマイスターは3歳、4歳、5歳時に安田記念に挑戦して、③着、②着、②着に好走した。3歳時③着、4歳時②着だったセリフォスは、今年の低調なメンバーなら、5歳時も馬券圏内は外さないだろう。5歳馬の中でセリフォス以外に注目できる馬としては、昨年の安田記念で④着に善戦したガイアフォースには注目したい。あとは昨年の安田記念には出走していなかった5歳馬の中で、GI実績のあるジオグリフ、近走好調のパラレルヴィジョンにも注意を原べきだろう。 

 

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