2024 安田記念(ラップからの狙い) | 競馬解読教室

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 安田記念は春の古馬マイル王決定戦。牡馬58キロ、牝馬56キロの定量戦であるだけに、基本的に「マグレ」や「マギレ」は起きにくい。特に近年の安田記念はかつてのような乱ペースになることが少ないので、ペースや展開の有利不利を考えなくてもよいいので、各馬の「実力」に注目して予想できるレースだと言えよう。幸い、今週は馬場渋化を避けられそうな塩梅であり、日曜日迄には馬場の回復も期待できるので、引き続き時計の速いスピード決着になるだろう。良馬場ならば、「実力」重視のスタンスでいいと思う。

 では、先ずは安田記念のレースラップの傾向を確認しておこう。以下は過去16年の安田記念の前中後3F・2F・3Fのラップと(前後3Fの落差)と勝ち時計を記したものである。

 

2023年 34.223.433.8 (+0.4秒)1.31.4

2022年 34.7=24.0=33.6 (+1.1秒)1.32.3

2021年 34.922.933.9 (+1.0秒)1.31.7

2020年 34.223.134.3 (ー0.1秒)1:31:6 稍

2019年 34.522.533.9 (+0.6秒)1:30:9

2018年 34.222.634.5 (ー0.3秒)1:31:3

2017年 33.923.234.4 (ー0.5秒)1:31:5

2016年 35.0=24.1=33.9 (+1.1秒)1:33:0

2015年 34.323.034.7 (ー0.4秒)1:32:0

2014年 35.1=24.0=37.7 (ー2.6秒)1:36:8 不

2013年 33.923.134.5 (ー0.6秒)1:31:5

2012年 33.822.5=35.0 (ー1.2秒)1:31:3

2011年 33.923.135.0 (ー1.1秒)1:32:0

2010年 33.622.735.4 (ー1.8秒)1:31:7

2009年 33.423.0=36.1 (ー2.7秒)1:32:7

2008年 34.623.334.8 (ー0.2秒)1:32:7

 

 ご覧のとおり、安田記念と言うレースは、かつてはHペース&前傾ラップ必至の消耗戦という性格のレースだったが、近年は、次第にMペース&上り重視の切れ味勝負という性格のレースに変貌しつつある。上記過去15回のレースラップが示すとおり、かつてはテン3F33秒台中盤2F23秒台上り3F34秒台後半~35秒台以上が安田記念のデフォルトだったが、直近の5年は上り3F33秒台~34秒前半が常態化しており、上り勝負の傾向が顕著となっている。特に注目すべき点は、直近5年で見れば、5回中4回は後傾ラップのレースであり、テンよりも上りの方が速かった!ということ。2018年以前は、ロゴタイプがテン3F35秒の歴史的超Sペースで逃げた2016年を除き、後傾ラップは一度も記録されていなかったことを見ても、近年の安田記念がMペースからの上り勝負が増えていることが判るだろう。換言すれば、近年の安田記念で求められる適性とは、スピードの持続力よりも瞬間的な上りの速さなのである。今年の安田記念でも、平均的なスピードの持続力に長けた馬よりも、最後の直線で鋭い末脚を使える馬を狙いたい。

 

 直近5年の傾向からすると、最近の平均的な安田記念は、①前半3F34秒台、②中盤2Fが22秒台後半~23秒台前半、③上り3Fが33秒台後半~34秒台前半がデフォルトだ。換言すれば、最近の安田記念は以前に比べると、テンの3Fは緩む傾向にあり、中盤2Fと上り3Fが速くなる。後半5Fのロングスパート勝負を得意とし、ラスト3Fでは加速できるような馬を狙いたい。そういう最近の安田記念の参考になるようなレースと言えば・・・・やはり、京都芝1600mで行われるマイルCSだろう。そこで過去3回の安田記念の前年のマイルCSの勝ち時計とラップを振り返ってみよう。

〇2020年

1.32.0(34.923.633.5:落差+1.4秒

①グランアレグリア→安田②着

②インディチャンプ→安田④着

③アドマイヤマーズ→安田不出走

〇2021年

1.32.6(35.623.733.3:落差+3.3秒

①グランアレグリア→安田不出走

②シュネルマイスター安田②着

③ダノンザキッド→安田⑥着

〇2022年

1.32.4(35.123.434.0:落差+1.5秒

①セリフォス→安田②着

②ダノンザキッド→安田不出走

③ソダシ→安田⑦着

 

 やはり、後継ラップのマイルCSは翌年の安田記念との連関が強いことが分かるだろう。前記3回のマイルCSの連対馬6頭に注目すると、該当馬6頭中翌年の安田記念に出走した馬は4頭おり、翌年の安田記念の勝ち馬こそ生まれていないものの、②着、④着、②着、②着{0・3・0・1}。連対率は実に75%!!であり、これは十分信頼できるレベルだろう。近年はマイルCSを好走した馬は安田記念でも通用するし、安田記念で好走した馬はマイルCSでも続けて好走るケースが非常に目立つのだ。そう考えると昨年の安田記念で②着だったセリフォス、また、昨年のマイルCSで①②④着だったナミュール、ソウルラッシュ、エルトンバローズについては、リピーターとして、十分注意する必要がある・・・と考えるべきなのだが、実は、今年は例年とは少し様相が違うのだ。まずは昨年のマイルCSの勝ち時計とラップを見てほしい。

〇2023年

1.32.5(34.323.934.3:落差+0.0秒)

〇前記3回(2020~2022年)のマイルCSの平均ラップ

1.32.3(35.223.533.6:落差+1.6秒

 

過去3回のマイルに比べると、昨年のマイルCSは前半3Fが0.9秒速く、中盤2Fが0.4秒遅く、上り3Fが0.7秒遅く、勝ち時計が0.2秒遅かった(大速→中遅→大遅)。一見して分かるとおり、昨年のマイルCSは前半が非常に速く、上りに時計かかり、差し馬に有利な流れだった。いうなれば、この流れは2018年以前の安田記念(前傾ラップ)とは親和性の高い流れであるが、近年の安田記念(後傾ラップ)とは相容れない流れなのだ。ナミュールの追い込み勝ちのパフォーマンスは本当に鮮やかだったが、あの派手な競馬が相対的に見ればSペースになりやすい安田記念でも再現可能かと言うと・・・ソコは大いに疑問である。普通ならば、安田記念では前年のマイルCS組を中心に馬券作戦を組み立てればよかったのだが、今年の場合はナミュールとソウルラッシュの軸馬としての信頼性が低いと言わざるを得ないので、今年の安田記念は例年以上に予想が難しいという印象だ。

 

 

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