2024 皐月賞(最後の最後に、もう一度ペースについて考える) | 競馬解読教室

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 今年の皐月賞予想の最大のキモは、「ペース予想」にあると思っている。世の中的には、「今年は逃げ馬が揃ったので、Hペース必至」という見方が多い。合理的な考えだと思う。毎日杯を逃げ切ったメイショウタバル、弥生賞で逃げて③着のシリウスコルト、若葉Sで逃げて②着のホウオウプロサンゲ、スプリングSで逃げて②着のアレグロブリラテ。皐月賞において、前走の前哨戦で逃げて好走した馬がこれだけ揃うことは珍しい。だからこその、世の中はHペースを予想しているのである。

 しかしながら、前のコラムで指摘したように、近年、良馬場で行われる皐月賞はペースが落ち着く(後傾ラップ)ことが多いのも事実なのだ。直近の10年でいうと、良馬場で行われた皐月賞は6回。そのうち、なんと5回がSペース(後傾ラップ)だったのだ。ここは重要なポイントなので、もう少し掘り下げてみよう。以下は2000年以降の皐月賞の前後5Fを示したものである(注:2010年は東京開催なので割愛。)。

 

2023 58.5<62.1 前傾ラップ ソールオリエンス(重)

2022 60.2>59.5 後傾ラップ ジオグリフ(良)

2021 60.3=60.3 平行ラップ エフフォーリア(稍)

2020 59.8<60.9 前傾ラップ コントレイル(稍)

2019 59.1>59.0 後傾ラップ サートゥルナーア(良)

2018 59.2<61.6 前傾ラップ エポカドーロ(稍)

2017 59.0>58.8 後傾ラップ アルアイン(良)

2016 58.4<59.5 前傾ラップ ディーマジェスティ(良)

2015 59.2>59.0 後傾ラップ ドゥラメンテ(良)

 

********(馬場改修)********

 

2014 60.2>59.4 後傾ラップ イスラボニータ(良)

2013 58.0<60.0 前傾ラップ ロゴタイプ(良)

2012 59.1<62.2 前傾ラップ ゴールドシップ(稍)

2011 60.1<60.7 前傾ラップ ヴィクトワールピサ(良)

2009 59.1<59.6 前傾ラップ アンライバルド(良)

2008 61.4>60.3 後傾ラップ キャプテントゥーレ(良)

2007 59.4<60.5 前傾ラップ ヴィクトリー(良)

2006 60.0>59.9 後傾ラップ メイショウサムソン(良)

2005 59.6=59.6 平行ラップ ディープインパクト(良)

2004 59.7<58.9 前傾ラップ ダイワメジャー(良)

2003 61.7>59.9 後傾ラップ ネオユニヴァース(良)

2002 59.2<59.3 前傾ラップ ノーリーズン(良)

2001 59.9<60.4 前傾ラップ アグネスタキオン(良)

2000 60.2<61.6 前傾ラップ エアシャカール(稍)

 

 なぜ、2000年以降のレース結果を掲載したかというと、中山競馬場は2014年春の皐月賞終了後、2014年4月~11月に芝コースの路盤改造工事が行われたため、その前後で、レースのペース傾向が大きく変わったということを説明したかったからである(※いわゆる芝張り替えのみではなく、走路を主体に路盤に砕石層を設け、芝馬場全体の排水性やクッション性などの向上や馬場全体の改造工事が行われた。)。この馬場改修の前と後で、良馬場で行われた皐月賞のペースがどう変わったかというと・・・

♦馬場改修前(該当12回)

前傾ラップ:7回

後傾ラップ:4回

平行ラップ:1回

♦馬場改修後(該当5回)

前傾ラップ:1回

後傾ラップ:4回

平行ラップ:0回

 

 御覧のとおり、馬場改修前後で大きな違いが生じているということがお分かりいただけると思う。一言でいえば、(少なくとも皐月賞に限って言えば)馬場改修後はペースが落ち着く傾向にあり、メンバーの如何にかかわりなく、Hペース(=前傾ラップ)になるケースが圧倒的に少なくなった!のである。もちろん、今年は逃げ馬が多いので、今年に限っては、良馬場でもHペース(=前傾ラップ)になる可能性はあると思う。それでも、上述の「馬場改修後のペースの変化」については、予想をする上で、十分頭に入れておく必要がある。もう一つ指摘しておくと、今週土曜日の芝のレースも(少数頭の競馬が多かったとは言え、)Sペースが多かった。すなわち、「今週の馬場」も「Sペースになりやすい馬場」であるとも考えられる。併せて、頭に入れておきたい事実である。

 

 

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