矢板市・伝統文化の集い | 宇都宮の書道教室【啓桜書道教室】

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6月20日、矢板市文化会館大ホールにて

「伝統文化の集い」

が開催されました。


日光東照宮創建400年記念祭に際して

矢板市の刀匠、加藤慎平氏作の

刀剣を日光東照宮へ奉納するに先だって開催されたこの催し。





「私達は先人によって生かされている」

この加藤慎平氏の言葉から開幕しました。


氏は「この言葉は重い」と言います。

「私達職人がなす どんな小さな技術にも

先人たちの血のにじむような努力と創意工夫がある」と。


職人だけではありませんよね。

人間の生活に関わる全てのものは、

先人によって受け継がれてきました。


芸術も同じです。






加藤慎平氏 作









小川三夫氏 作  「法隆寺 金堂 1/20」





柿沼翠流氏 作 「天声」


加藤慎平氏(刀匠)

小川三夫氏(宮大工)

柿沼翠流氏(書家)

それぞれまったく違ったジャンルの三人ですが


職人なのか 芸術家なのか

文化人として、似通った肌質を感じます。


加藤慎平氏は 宮入行平(刀匠・重要無形文化財)に

小川三夫氏は 西岡常一(宮大工・勲四等瑞宝章)

柿沼翠流氏は 手島右卿(書家・文化功労者)


それぞれ 第一級の人物に師事し、

その道を研鑽されてきました。


彼らの口が紡ぎ出す深い言葉は

ここで文字にしますと、

軽味を帯びてしまうので大かたを省きます。


お三方に共通した言葉は

“師 は何も教えてくれはしなかった”

と。

“寝食をともに”する、

限りなくそれに近いほどに 師の心を探ることによって

学んできた、 身についてきた、と仰っていました。


小川三夫氏の 「師の懐に沿う」 と言った言葉は

至言と思います。


まず 「受け」

そして次代へ「継ぐ」 ことが

文化の第一です。



この「伝統文化の集い」

またやれたらいいですね。

内容の濃さに対して、

惜しむらくは 参加人数。

でも、350人ほどの市民の方々が集まってくださいました。


途中、舞踊を披露したのも良い企画でしたし、

また舞踊や三味線、唄、劇でもいいと思いますし

互いの発表の場としながら、

市民との対談の場に出来ればいいのではないかと思います。


矢板市主催「伝統文化の集い」第二回を心から期待しております。



「地方の文化」 「地方のちから」

少なからず耳にする時代となってきました。

一にも二にも都市中心の中央集権的な体制である必要はなく

社会的に活動する年齢層や数も大幅に変動するなか


地方から文化を発信していくことが

求められるようになるのではないでしょうか。