だめ人間の暇つぶしです

だめ人間の暇つぶしです

だめ人間の趣味の備忘録程度のブログです。

偏愛するクラシック音楽について、気が向いた時に更新してます。
クラシック音楽ネタ以外は、別館「当世だめ人間気質 」へどうぞ。

このブログではクラシック音楽ネタに限って更新しています。
クラシック音楽ネタ以外のだめ人間の趣味の備忘録は、別館「当世だめ人間気質 」へどうぞ。

手持ちのCDを延々とアップしてゆくだけの、だめ人間のインスタ もよろしければどうぞ♪
Amebaでブログを始めよう!

放置しすぎたブログを再開するタイミングが見つからず、、、再開しても続けられる自信も全くない今日この頃なのですが、ひさびさにこっそり更新です。。。

 

あいかわらず毎月予約をしては新譜を買い込む日々を過ごしているので、書きたいことは色々ありすぎるのですが、、、。

 

今日はここ最近で一番興奮してしまった1枚を!!↓

 

 

これ、ちょっとジャケットが変(というかクセ強め)なんですが(笑)。

トマーシュ・クラール(Tomáš Král)というチェコのバリトンの初のソロ録音です!

 

私、実は以前から彼のめっちゃファンでして、彼が参加しているCDは相当ちゃんとチェックしている自信があります!

そんな彼が、ついにソロ録音を出したというので、欣喜雀躍いたしました♪

 

彼、ヴァーツラフ・ルクスのコレギウム1704(というかコレギウム・ヴォカーレ1704)などで出てきた人で、ルクスのゼレンカとかで重要なポジションを歌ってきた人です。

 

ところで、私の中ではヴァーツラフ・ルクス&コレギウム1704というと、(ゼレンカもなんですが、)ビーバーのザルツブルクミサ!!

 

ルクスのザルツブルク・ミサはCDこそ出ていませんが、DVDが2つも出ています!(もちろん両方持ってます💕)

で、この両方でトーマシュ・クラールは大活躍です。

 

↑これはCVSでの新版。

 

どちらの録音(ライブ)もそれぞれ良いのですが、私の特にお気に入りなのは旧い方のこちら↓

 

 

 

こちらに収録されているザルツブルクミサは、いつもiphoneに入れていて、これまで何十回、何百回と聞いてきた、超お気に入りの演奏です!

 

youtubeにも動画があります↓

これ、2016年にザルツブルク大聖堂で演奏した時の動画です。ビーバーのザルツブルク大聖堂のためのミサは、53声部もある大名曲なのですが、ルクス&コレギウム1704はこの曲がお得意というか、なんというか、、、。とにかくにすっかりモノにしている感じで、新しいCVSでの録音などをみると、さらに自由闊達、自家薬籠中な感じで新しい工夫を散りばめていたりします。

 

歌手陣みなさま、素晴らしいのですが、この時はトマーシュ・クラールはリサンドロ・アバディーの隣で惚れ惚れするような美声を披露してくれています。是非是非、聴いてみてくださいまし♪

 

(ちなみに、ちょっと前のコレギウム1704の録音(zig-zag territoire時代)にはクラールと一緒にアバディーも入っているのがあったりします。↓)

(↑これはアルファでの再発盤ですが。)

 

ヴァーツラフ・ルクスのゼレンカなどももちろん素晴らしいのですが、私がトマーシュ・クラールというバリトンに惚れ込んでしまったのはこちら↓です。

(なんか、ブログに貼れないのですが、気になる方はYoutubeに飛んでください。)

イタイ・ジェドラン(Itay Jedlin)とル・コンセール・エトランジェ(Le concert étranger)によるヨハネ受難曲、2014年のアンブロネのフェスティバルでのライブです。

 

私、おそらくマタイよりヨハネ受難曲の方がよく聴いてきました。その中でも、このジェドランのアンブロネーのライブは、私にとってのヨハネ受難曲の最高のお気に入りです。

他の歌手陣も私好みが揃っているのですが、ここでイエスを歌っているトマーシュ・クラールが素晴らしすぎて、一聴して大ファンになりました!

受難曲って、とてもいい演奏だったとしても、イエスに不満が残ることって結構あるんですよね。(ありません??)それが、もうこのイエスは、私にとって5本(いや、3本)の指に入る最高峰のイエスです。。。

 

トマーシュ・クラールって、バッハがすごくうまいんですよね。なんというか、清潔感がある美声で、バッハを歌うとたまらないんです!

じっさい結構ちょこちょこバッハを歌っていて、たとえば、こちら↓

 

(なぜか、アマゾンの商品ページでジャケットが違うもの(ベルチャQのブラームス)になっていますが、、、)

リオネル・ムニエ&ヴォクス・ルミニスの録音でバッハの初期のカンタータを録音したもの。このCD自体、超オススメで私の朝バッハの常連なのですが、一曲目に収録されている愛すべきカンタータGottes Zeit ist die allerbeste Zeit(BWV106)などを歌っていたりします。

 

他は、ルクスのロ短調とか↓

(これ、ジャケットがすごく好きです。。。)

 

Youtubeにも、彼のバッハは結構あります。せっかくなので、動画を一つ↓

 

で、、、ですね!!

私がこの人のことが好きなのは、古楽の世界での素晴らしい活躍はもちろんですが、、、、

歌曲!!歌曲も歌うんですよ。

 

スプラフォンでこれまでヤナーチェクとマルチヌーの歌曲を、ソプラノのマルティナ・ヤンコヴァーと、イヴォ・カハーネクというこれまたチェコものを弾かせたら別格に素晴らしいピアニストと一緒に録音しています。この録音がいずれも絶品でして、いやはや。。。

 

ヤナーチェクから一曲↓

 

CDはこちら↓

 

マルチヌーから↓

 

CD↓

ほんとに素晴らしいんですよ、、、彼の歌曲がまた。。。歌曲マニアのワタクシとしては、この人の歌曲を今後もっと聴きたいですし、今後もっともっと録音を増やしてほしいと思っていたところでした。

 

他にも、この人の活躍について言いたいことは色々あるのですが、キリがないので本題の今回の新譜について少しだけ↓

 

これまで、クラールの録音はスプラフォンなどが多かったのですが、今回はおそらく初めてAPARTÉから。

で、オケと指揮はポーランドのヤロスラフ・ティエル&ヴロツワフ・バロック・オーケストラ。

ヤロスラフ・ティエル&ヴロツワフ・バロック・オーケストラについてはあんまりよく知らないのですが、

クラールはこれまで、アンジェイ・コセンジャクの指揮でマニアックな(めちゃくちゃ聞き応えある)録音をCD Accordから長きにわたって結構たくさんだしています。その時のアンサンブルがポーランドのヴロツワフ・バロック・アンサンブル。

たぶん、ヴロツワフ・バロック・オーケストラはヴロツワフ・バロック・アンサンブルの規模の大きいバージョンだと思います。(奏者は被っているので。)

 

コセンジャク&ヴロツワフ・バロック・オーケストラのマルチン・ミエルチェフスキ。是非ともこちらの美しい動画でトマーシュ・クラールの美声を堪能してください!!↓

動画の曲が入っているCDはこちら↓

 

とにかく、そんなこんなで、ポーランドのヴロツワフ・バロック・オーケストラと、北ドイツのバロック・オペラなどからバス・バリトンのアリアなどを集めたのが、今回の録音です。

シメはバッハのカンタータ(↓)から♪

CDのジャケットがちょっとアクが強すぎて、、、トマーシュ・クラールの高貴で清潔感ある美声の雰囲気とやっぱりちょっと違う気がするのですが、それでも、とにかく素晴らしい1枚です!

 

これを期に、きっとクラールの魅力にハマる人が続出して、もっともっといろんな録音やコンサートで彼の美声が聴けるようになることを切に望みます!!

 

なんか、無駄に長文で内容の薄いぐだぐだな記事になってしまった。。。

というか、全くもってブログなんて書いている場合じゃないのに、、、。

嗚呼、、、またのんびりブログを更新したりできる余裕ある日々を過ごしたいものです。。。

ひとまず、今日はここまで!それでは、またいつか!!

なかなか思うようにブログもインスタも更新できません。。。

心に余裕ができてきたはずなのに、時間に余裕がない今日この頃のだめ人間です。。。

 

ところで、ここ数年、私が楽しみに追いかけている録音の一つが、

ハルモニア・ムンディ・フランスでのバンジャマン・アラールのバッハの鍵盤曲の全集録音です。

 

バンジャマン・アラールはノルマンディー生まれのクラヴサン&オルガン奏者。

1985年生まれということで、私と同世代の人ですが、

もはや私も結構な年齢になってしまいましたので、若手若手とも言ってられないですね(笑)。。。

 

Netherlands Bach societyの動画の中から一つ、インタビュー動画(上)と演奏動画(下)↓

 

 

で、ハルモニア・ムンディ・フランスのバッハの鍵盤音楽全録音企画ですが、

これほんとに壮大な企画で、オルガン曲もチェンバロ曲も、すべてアラール一人で取り組んで演奏するというものです。

 

録音が始まったのは2017年。1年あたり約1集づつ進んできて、つい先日第五集が出たところです↓

 

 

今までのところ、それぞれ毎回ボックスでCD3-4枚の量になります。

 

これがもう、、、最高なんですよ!

毎回出るたびに予約していますが、

毎度、アラールのバッハ弾きっぷりに感嘆、、、。

 

この動画は確か昨年でた動画で、アラールが「自分にとってのバッハの意味」について(フランス人っぽい)英語で語ってくれている、魅力的な動画です♪

 

どうでもいいことですが、ワタクシだめ人間は、毎朝起きたら必ずバッハのCDをかけます。

名付けて「朝バッハ」。朝バッハしながらコーヒーをいれて、1日の準備をして、、、というのが、たぶんもう10年以上になる日課です。

セレクトするバッハはその時の気分で選びます。休日に早起きして時間にも心にも余裕があって、早朝の一人の時間を静かに過ごせる時なんかは、リュートやテオルボのバッハにしたり、、、急いで気分をあげていかなきゃいけない時はバリバリの現代楽器のバッハだったり、、、。

そんなわけで、特別にバッハに思い入れがあったり、バッハ好きだったりするわけじゃないのですが、バッハは必ず毎日聴き続けています。

 

だから、バッハの新しい録音はちょこちょこ仕入れなきゃいけない(笑)わけなんですが、

このアラールのバッハはもうっっっっ、、、最高なんですよ!!

ここ数年の朝バッハの超常連で、出るたびに楽しみに購入しています♪

 

で、このアラールのバッハ鍵盤曲全集プロジェクト、チェンバロもオルガンもアラールが演奏するって書きましたけど、それだけじゃないんです!ほぼ毎回、ちょっと変わった楽器も使って演奏してくれるというのも、楽しみの一つです。

たとえば、第3集ではクラヴィオルガヌム、第4集ではペダルハープシコード、第5集ではクラヴィコード。

 

こちらの動画(↓)は第二集と第三集に関する動画ですが、後半の最後のほうはクラヴィオルガヌムもでてきます。(この動画、好きです。最初はクラヴサン、途中からオルガン、最後はクラヴィオルガヌムです。)↓

アラール、結構マニアックな人(だと思う)で、コロナになってオンラインでの音楽配信が賑わってからは、定期的に短いバッハ動画(変わった楽器を使って演奏したり)をアップしたりもしてくれています。

彼のバッハ愛、バッハ弾きっぷり、ほんとに魅力的です。

 

 

で、、、、

このバンジャマン・アラールがですね、、、、

実はこの2月に我がご近所の京都コンサートホールに来ることになっていたのです!

それも、バッハの平均律クラヴィーア曲集第一集全曲を演奏するという、信じられないような演奏会!!

先ほど触れたように、ハルモニアムンディFRのバッハ鍵盤曲全集は、現在第五集まででています。

で、次の第六集は平均律クラヴィーア曲集第1巻が予定されているのです。。。最高のタイミングです。

(しかも、チケットえらく安いし、、、)

 

そんなわけで、もちろん私はチケット発売日の当日、一般発売の朝10時に待ち構えて、最高の席をゲットしていたのですが、、、

 

、、、コロナで中止になりましたよ。。。。

まあ、仕方ないですよね。

 

ということで、生アラールはまだしばらくおあずけです。

 

そんなこんななもんで、今日は土曜日でお休みだったので、朝バッハからそのままずっっっっとアラールのバッハばっかり一日中聴きながら、思う存分だらだら過ごしました(笑)。

幸せでございます。。。

 

2週間くらい前に、アラールがストラスブールのサンマドレーヌ教会のオルガンについて語っている、ものすごく素敵な動画が公開されました。

 

私、以前はアラールはクラヴサニスト(チェンバリスト)のイメージの方がずっと強かったのですが、バッハ全集の第三集あたりから、すっかり彼のオルガンに目が(耳が?)離せなくなっています。

先日でた第五集でも、オルガンが素晴らしかった、、、。

 

まあ、またいつか、彼のオルガンの素晴らしさについても触れたいと思いますが、今日はこの辺で。

 

最後にもう一個だけ、Netherlands bach societyの動画を。

嗚呼、、、もう、素晴らし過ぎて。。。↓

 

 

〜以下、発売済みのHM Frのバッハ鍵盤曲集のリンクを貼っときます〜

 

第一集↓

 

 

第二集↓

 

 

第三集↓

 

 

第四集↓

 

 

第五集↓

 

 

他にも、アルファからの録音とかもあるのですが、またいつか♪

だいぶ遅くなっちゃいましたが、あけましておめでとうございます。

昨年末に、4~5年ほどかけて取り組んでいた大きな仕事が一段落して、

少しづつ解放感を取り戻しつつある、だめ人間です。

 

なんかここ数年は、ほんとに全て後回し、、、音楽についても禁欲、禁欲、、、

ブログなんて全然書けなかったし、、、(涙)。

 

そうこうしているうちに、昔からの持病である「精神的に追い詰められると古楽しか聴けなくなる病」を発症しておりました。。。

この「古楽しか聴けない病」、これまではだいたい数ヶ月で治るものだったのですが、

長引いたせいで、最近はすっかり古典派以降の音楽の現状に疎くなってしまいました、、、。

 

この「古楽しか聴けない病」は、これまでの経験から、ブラームスが聴けるようになると「完治」だと思っています(笑)。

そして、まだまだブラームスは聴けそうにありません、、、。

 

そんなこんなのムダ話はさておき!

 

前回(といっても去年)、シモン=ピエール・ベスティオンのシュッツのキリストの復活物語で

福音記者を歌っていたビザンチン歌唱のアブダラさんについて、少し触れました。

 

(せっかくなので、前回とは別の動画を貼っておきます↓)

で、前回のブログの最後にちらと触れた通り、

このベスティオンのシュッツでインパクトを与えてくれているアブダラさん、

(特に彼について何か知っているわけではないのですが、)

この録音より前に、アンサンブル・ベアトゥスという、

私のお気に入りのアンサンブルで歌っていたことがあります。

 

その時の、とっても素敵な動画をまず一つ!!

LUX LUCISという題で、12世紀音楽におけるビザンチンや東方の音楽との出会い・影響にスポットライトを当てた、アンサンブル・ベアトゥスの録音風景です。

 

アンサンブル・ベアトゥスは、バリトンのジャン=ポール・リゴーが率いる男声アンサンブルです。

ジャン=ポール・リゴーはアルファ時代のディアボルスインムジカなどでも歌っていた、

とっても素敵なバリトン♪

 

リゴーがリモージュのサン・マルシャルの写本について語っている動画↓

(LUX LUCISでも、このリモージュのサンマルシャルの写本の音楽が録音されています。)

 

で、リゴーは中世からルネサンスの音楽のプロなんですが、

ルネサンス期の俗語歌謡などにもとっても関心があるようです。

というのも、オック語によるトルバドゥールの歌などへの取り組みとっても目立つからです。

 

↓Ad vitamレーベルでオック語のトルバドゥールの音楽の録音をしていた時の動画↓

 

別館ブログのほうでバラしたことがありますが、

ワタクシだめ人間はフランス語がフランス語になる以前の頃の西欧の言語などが好きで、

オック語(南仏語)詩を読むことが趣味の一つです。(マニアックですみません、、、)

そんなわけで、古楽への関心云々よりも、むしろそちらの方の関心から、

ジャン=ポール・リゴーのアンサンブル・ベアトゥスとは出会いました。

(というか、偏った古楽への愛好は、むしろそちらの方(古語の押韻詩への愛好)から来てるんです、、、。

だからこのブログで取り上げるべきか、別館ブログで取り上げるか悩んで、

結局どっちでも書けなくなっちゃったという、、、(苦笑)

先日、ジョスカンも俗語のシャンソンばっかり取り上げていたのも、まあそういうわけです。。。)

 

オック語で書かれた文章のうち最も有名なものと言って良い、

ヴェンタドルンの「Can vei la lauzeta mover」をリゴーが歌っている動画↓

、、、。いやもう、最高。。。

(だめ人間さんのオック語愛など、もし興味がある方は別館ブログの方をのぞいてください。

ここでは自粛します。。。)

 

このすんばらしい演奏が収録されているのは、2009年にアルファのホワイトレーベルから発売された、

リゴー&アンサンブルベアトゥスのTROBARという一枚↓

 

オック語詩の最高峰名高いベルナルト・デ・ヴェンタドルン(フランス語ではベルナール・ド・ヴァンタドゥール)の詩と歌を、

ラテン語によるサンマルシャルの僧院の音楽の伝統とを組み合わせた、素晴らしい名演奏です。(オススメ!!)

 

他にも、先に動画であげたAd vitamレーベルでの録音もあります↓

 

 

まあ、そんなこんなで、ジャン=ポール・リゴー、

美しい美声に私の(コアな)趣味に直球ストライクな存在として、

要注目の御仁でした。

 

そのリゴーのアンサンブル・ベアトゥス名義での、一応最新盤になるのが、

最初に紹介した、アブダラさんを迎えたLUX LUCISというこちらの1枚なわけです↓

 

別の動画も↓

この多国籍感(笑)。。。

ビザンチンの歌手であるアブダラさんに、

ペルシャ歌謡のタギ・アクバリさんという方をむかえています。

アクバリさんのソロ(↓)

(赤いマフラーがとっても素敵♪)

 

↓これはライブでのインプロヴィゼーションの様子。

(面白い!!)

 

ちなみに、、、

このアンサンブル・ベアトゥスのLux Lucisの録音メンバーから、

シモン=ピエール・ベスティオンのアルファの録音に3人が参加しています。

一人はアブダラさん。

もう一人はルノー・ブレというバス・バリトン。(この人、とっても好きな歌手なので、またいずれ!)

それからもう一人はケン・ヨシダ(Ken Yoshida)氏。

 

ケン・ヨシダ(Ken Yoshida)氏、名前の通り、どうやらお父様が日本人のようですが、

フランスのイキのいい気鋭の音楽家たちがこぞって迎える録音エンジニアさんです。

(Ken Yoshida氏のHPはこちら。)

 
ベスティオンはアルファでの録音で毎回Ken Yoshida氏を迎えていて、
前回貼った動画でも、今日の冒頭に貼った動画でもバッチリフィーチャーされて写されています。
Ensemble BeatusのLux lucisの動画でも毎度もKen Yoshida氏がフィーチャーされていますね。
 

このKen Yoshida氏、昨今フランス古楽界隈の「これは!」という注目の録音に、

かなりの高頻度で関わっておられる印象です。

彼に注目しておくだけで、フランス古楽界の新しい薫りをつかめてしまうような気が、、、。

 

もう話がずれずれかつマニアックになってきたので、今日はここまで!

 

先日、シモン=ピエール・ベスティオンのヴェスプロを紹介したので、

せっかくなのでベスティオンについて、もう少しだけ。

シモン=ピエール・ベスティオンのヴェスプロ、

あの音の重なり、あの建築物のような立体感、、、

 

前回もちょびっと書きましたが、あれね、私、ほんとにパイプオルガンだと思うんですよ。

実際のところ、ベスティオンってオルガニストなんですよね。

そう思って聴いてみてください↓

で、彼、お兄さんと弟もオルガニストです。

というか、音楽一家で5人兄弟全員音楽家という超エリート(?)です。

 

↓これはお兄さんガブリエル(3番目)とシモン=ピエール(4番目)のインタビュー動画。

動画でのガブリエル・ベスティオン(三男)の話によると、

5人のうちの上の2人はピアノだとかクラヴサンだとか鍵盤楽器をやっていて、

下の3人はみんなオルガニストとのこと。

 

5番目の弟(五男)は、アンブロネーの音楽祭などでも大活躍中のルイ=ノエル・ベスティオンです。

(一応、みんな苗字はベスティオン・ド・カンブラ(Bestion de Camboulas)ですが、

長くて面倒なのでベスティオンって書いてます。)

 

たぶん録音を一番たくさん出しているのは五男のルイ=ノエルでしょう。

手勢のレ・シュプリーズ(Les suprise)を率いて、アンブロネーレーベルでいっぱい注目盤をだしています↓

これは私の結構お気に入りの1枚で、シャルパンティエの「四旬節のための黙想」とブロサールのモテが二つ入っていて、

モテの間ににドヴィセやマレが挟まれています。

男声3名に器楽がテオルボ、ヴィオール、

そしてオルガンとクラヴサンをルイ=ノエルが担当して、全部で6名という小編成。

(France Musiqueでの動画がありました↓)

 

↓こちらはデトゥーシュの「イセ」の初録音ということでけっこう話題にもなりました。

ソリスト陣も素晴らしい布陣!

 

↓デトゥーシュとドラランドの合作のオペラバレ、

Les Elements(四大元素)もだいぶ話題になりましたね。

 

オルガン&クラヴサン奏者としての録音もあります↓

 

ほかにもHMFrから、注目の新人としてこんな録音も↓

これはカヴァイエ・コルのオルガンでロマン派から近代までのフランス音楽をどっぷり聴かせてくれる1枚で、

ヴィオラのアドリアン・ラマルカや、レシュプリーズでいつも歌っているバスバリトンのエティエンヌ・バゾラも参加した、面白い1枚です。

 

あと、シモン=ピエールと同じくアルファから、

ヴェロニク・ジャンスの録音でアンサンブルを担当したりもしています↓

 

キリがなくなるので、ひとまずここまで。

彼、私より若いのに、、、本当に大活躍ですよね!

 

 

で、ルイ=ノエルもいいのですが、私にとってやっぱり一番気になる存在は四男のシモン=ピエールです。

 

なのでシモン=ピエール・ベスティオンに戻りますが、

上に貼った三男のガブリエルとの動画の後半でも、シモン=ピエールは所謂「民俗音楽学(ehnomusicologie)」に興味があるって言っていますね。

彼、ヴェスプロでも地中海のポリフォニーとかいろいろ取り入れたりしていましたが、

そうした民族音楽的要素を古楽にうまく落とし込むのがとってもお上手!

 

(グランドラヴォワとかも、そういう感じですよね。

私、それが好きなんですよ。)

 

で、たとえば2018年に出たシュッツとシャインの録音、

Larmes de Résurrection (復活の涙)↓

この録音、わたし感動しました!!

 

シュッツとシャインがほぼ交互に演奏されるのですが、

骨組みはシュッツのキリストの復活物語(SW50)の全曲です。

 

福音記者が粛々と物語を語り(歌い)、

その合間にシャインの「イスラエルの泉」からセレクトされた曲が挿入されていくという形です。

それが、、、

 

シュッツの福音記者を歌っているのが普通じゃなくて、

ビザンティン歌唱のアブダラさんという方を迎えています。

それが本当に凄すぎるんですよ!!

 

ぜひこの動画を見てみてください!!↓

 

あんまり関係ないのですが、モンテヴェルディのタンクレーディとクロリンダの戦いで、

ヴァンサン・ドゥメストルがTestoの語りとしての役割の特殊性を語っていたことがあったような気が(するようなしないような、、、、超うろ覚えです、、)するんですが、

そのドゥメストルの録音でのマルク・モイヨンによるTestoを聴いて、目が覚めるような思いをさせられたことがあります。

私にとっては、このベスティオンのシュッツの福音記者の語りは、その時みたいな感動でした!

(よくわかりませんよね。。。いずれ、ちゃんと言語化できるようにしておきます。。。)

 

まあ、とにかく、シモン=ピエール・ベスティオン、とっても面白い人です。

年明けに新譜も出ることになっていますので、彼の今後に是非ご注目くださいませ↓

 

 

ところで、福音記者を歌っていたアブダラさんですが、ベスティオンのシュッツの録音の前に、

アンサンブル・ベアトゥスという男声のアンサンブルにも参加していて、

実はこのアンサンブル・ベアトゥス、私が格別に大好きなアンサンブルでもあります。

また改めて、アンサンブル・ベアトゥスの話もしたいなぁ。。。

 

ということで、一応、今日はここまで。

シモン=ピエール・べスティオンの話がしたかったのに、ルイ=ノエルのほうで焦点がずれてしまって、、、

まとまりのないことになってしまいました、、、。

 

最後に一個だけ動画を貼っておきます↓

2017年のAzahar、マショーのノートルダム・ミサとストラヴィンスキーなどを組み合わせた録音(↓)のなかから、

冒頭を飾るアルフォンソ10世のカンティガ「Santa Maria strela do dia」です。

 

 

モンテヴェルディのヴェスプロについて、

ちょっとだけ書きたいもんで、、、。

 

若い頃からモンテヴェルディのヴェスプロが好きで好きで、

ヴェスプロとなると、とりあえず片っ端から聴いて集めたりしていたのですが、

その中で私のベスト3というのがありました。

 

アレッサンドリーニ盤、サヴァール盤、ジーニ盤の3つ。

(他にも好きなものはたくさんあるんですけどね。)

 

 

 

それがですね、時代は変わるもので、

ここ数年でモンテヴェルディのヴェスプロの録音は

また格段に増えましてですね、、、。

 

私の不動の3名盤たちも、アップデートしなきゃいけない時期なのかなと思いまして、、、。

 

ということで、上の3つは、一つ前の時代の不動の名盤ベスト3。

 

最近のヴェスプロ新録音の中でのベスト3ってのを、

ここいらで一応整理しておきたいと思ったわけです。

 

ご存じ2017年はモンテヴェルディの生誕450年のアニヴァーサリー・イヤーでした。

モンテヴェルディ関係の新譜やらもたくさん出て、

その時(やその後)ヴェスプロの新たな試みってのも、たくさんありました。

 

そんな中から、私のとっておきのお気に入り、

新時代のヴェスプロ、だめ人間お気に入りベスト3です!!

 

まずアルファのベスティオン盤↓

シモン=ピエール・べスティオン&ラ・タンペートのアルファ盤。

ラ・タンペートはベスティオンの手勢で、

近年、アルファから面白い録音を続けて出しています。

 

シモン=ピエール・べスティオンについては、とっても面白い人なので、またいずれ。

今のフランス古楽界のなかでも異彩を放つ個性派の若手とだけ言っておきましょう。

 

まあ、動画を見てもらったら一目瞭然ですが、とっても変わったヴェスプロです↓

 

例えば「曲の合間に17世紀の写本から取られた作者不明のファルソボルドーネ(重唱唱法)による聖歌を挿入」だとか、

コルシカやサルディニアの地中海のポリフォニーや(私の愛する)グルジアンポリフォニーの影響も盛り込んでいるだとか、

いろんな民族楽器を使っているだとかいうので、

ヴェスプロ信奉者たる私としては少々恐怖を覚えながら聴き始めました。

 

それが、いざ聴いてみると、正直な感想として、思ったほどイロモノではないんですよ。

もちろんものすごく挑戦的だし、耳新しい響きだらけではありますが、

おさえるところはおさえてるし、モンテヴェルディを愛する一人として、全然アリ!

むしろ大歓迎です!

 

というか、別にアノニムな「聖歌を挿入」なんて、

ヴェスプロの演奏では特に奇抜でもなんでもありませんしね。

 

ちょっと変わったポリフォニーの取り入れ方は見事で、色々と新しい響きを聴かせてくれます。

前回のシュッツとシャインの録音でも、ビザンチン歌唱の歌手を迎えたりしていましたし、

ベスティオン自身も確かビザンチン歌唱をやっていたりしたはずです。

そして、彼は何より元々オルガニストなので、音の荘重な響かせかたは、奇抜さよりもむしろパイプオルガンを連想させます。

 

初めてヴェスプロを聴く人に薦めるかというと、ちょっと迷いますが、

好きなかたには是非一度、この陶酔的で生き生きした、

べスティオンの新しいモンテヴェルディを味わってほしいです。

ほんとに面白いし、美しいですよ!!

 

 

お次は、ファイからのヘルヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレ・ヘントの新盤↓

 

こちらは、異色のベスティオン版とは真逆で、正統派。

ヘレヴェッヘは1986年に手勢コレギウム・ヴォカーレにシャペルロワイヤル合唱団を迎えて、ハルモニア・ムンディ・フランスでヴェスプロを録音しています。

 

旧盤は旧盤でまた魅力的な名盤なのですが、

今回はヘレヴェッヘのレーベル、φ(ファイ)から、もう少し親密な感じの録音になります。

(でもやっぱり、旧版とよく似てはいるんですが。)

 

すんばらしい動画を!↓

 

なぜかタンクトップで肉体美を披露(?)してくれている美声のテノールは、

イギリスのSamuel Bodenさんです。

 

どうでもいいことなんですが、

彼、イングリッシュナショナルオペラ(オペラを英語上映するところ)で

バッハのマタイ受難曲の福音記者を歌った時に、

耳のところに鉛筆を挿してはって、おもしろいな〜と思っていたんですが、

ヘレヴェッヘのモンテヴェルディの動画でも耳に鉛筆を挿していらっしゃる。

福音記者だから挿していたわけじゃなかったんかい(笑)!と、地味にツッコミを入れてしまいました。。。

 

(↓この動画の後半。)

 

 

 

話がズレましたが、、、

3枚目はRaméeのボテルフ盤(↓)です。

 

ブルーノ・ボテルフ&ルドゥス・モダリス。

Raméeで正統派に見せかけて(?)実は一番意欲的で変わり種の録音です。

 

極限まで絞った少人数編成で、ヴァイオリンなどの器楽合奏は一切なし。

楽器は通奏低音のみで、声楽パートは13名。

 

器楽曲的な派手な香りはゼロですが、鮮やかなヴェスプロの美しさが際立つ、すんばらしい演奏です!

これはもう、凄い。。。

 

ああ、ヴェスプロってこんな風に演奏できるんだ、、、と惚れ惚れすること間違いなし!

 

 

ああ、、、凄い。。。ため息です。。。

 

ということで、昨今の(2017年のモンテヴェルディアニヴァーサリー以降の)

ヴェスプロのだめ人間によるオススメベスト3でした!

(途中から明らかに手抜きになりましたが(笑)。)

 

、、、、。

そりゃね、他にも色々話題だった新録音はありましたよ。

ラファエル・ピションのピグマリオン盤とかね。

なんであれが入っていないんだ!とか色々あると思いますが。

 

でもまあ、上の3枚はあくまでだめ人間さんのお気に入りベスト3ということで。。。

許してください。私の好みは偏っているんです!!