thought 49 | けえるのブログ

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秋もゆっくり深さを増して雲も高く流れていく

 

すっかり聞こえなくなった虫の音たちは、また来年へと想いを残してゆくみたいだ

 

流れくる未来には形がどんなに姿を変えても消せない色があり、

 

追い続ける夢の足跡はまた彼の視線を奪っていく

 

 

こだわりに色づけられた我が儘な願いさえ

 

自分以外の人たちにとってはどうでもいい話

 

譲れない信念だけが彼の救いであり、赦しの中で

 

戻せない時間の歯車に指を詰めても、流れる思い出はどうしても止められないから。

 

 

 

足早に移りゆく季節は、また次の季節に追い立てられて躓きそうになっている

 

繰り返す今日は、出逢いと別れに紡ぎ出されて感情だけが揺れている

 

みんな必死で自分を演じながら、それでも捨てられない自分を抱きしめて顔を上げて誰かと向かい合うんだ

 

 

 

それが続いて行く人生。

 

 

 

少しの違いはあっても基本的にはそんな繰り返しだ

 

雨が降る夜に流す涙も、青空にこぼれる笑顔も

 

きっと同じ重さで彼を通り過ぎていく

 

そしてそこに残される想いはいつも、冷静に彼に問い正してくるんだ

 

 

「はい、今日は正しかったですか?」

 

 

見えない想いこそが彼にとっての優しさで

信じていく心こそが、彼の今の唯一の武器なんだ!

 

 

こんなことを話すと、きっとあなたはため息をついて横を向くだろうね。

 

弱さは時として誰かの強がりと重なってしまうから、

 

それに気づいた瞬間に、また彼は照れ隠しのような微笑みを浮かべてしまうんだ

 

 

 

彼が知る、ここでの人たちは自分とちゃんと向き合って闘っている

 

彼ならくじけてしまいそうな現実に、裸の心で真っ直ぐ向き合っている

 

そんな事実を教えられる度に、彼の影は雲に隠されて消されそうになってしまう

 

まるで風に流される糸の切れた凧みたいに。

 

 

 

 

でも、やっぱり切ないこの秋風に顔を上げて深呼吸をしてみよう

 

聞こえない誰かの声に耳を澄ませてみよう

 

そして風に吹かれて導かれる行く先へと身を委ねられたら

 

きっとそこに彼が求めた確かな時間があると信じられるから。

 

 

 

 

 

こんがらがった気持ちを解きながら、彼は思う。

 

 

今、目を閉じて真っ先に浮かぶ顔を大事にしようと。

 

そして過去の自分が指さす未来への扉を開けることが出来た時、

 

きっと彼の意味もそこに続いていると、ただ強く信じて、、、。