幾日か前、雨音に目覚めた彼はずっとその音を聞いていた
優しい子守唄のようなそのリズムは時折少しズレながら彼と調和していく
彼を含めたすべての命の中を通り抜けて世界を旅する水たちは
正に命の源で、大切な存在。
まるでこの星が一つの大きな命であるかのような、そして水はその血液そのもののようで。
降り続く雨も打ち寄せる波も
あなたの透き通った涙も、きっとどこかで繋がっている
それはきっと彼に通じる想いと少し似てる気がして、彼は少しホッとしていた。
誰にもわからない未来はどんな優しさを用意しているのだろう?
もしかしたら人の叡智がとても及ばない悲しい未来かも知れないけれど。
でもせめて優しい世界に変えて行ける未来はきっと、人の愛によって変えることが出来る!
皆んなが持ってる枯れない優しさが負けない明日に繋がっているはずだと、そう彼は信じている
リアルな世界にはきっと存在しない”永遠”は、それでも人の心を魅了し続け愛を伴わせる
過去から未来へと引き継がれていくその一瞬こそ、きっと「永遠」と呼ばれるのだろう
辿り着きたい憧れを胸に抱きしめて、誰もが今日を直向きに朝を迎える
そんな本当にかわいい命が集まるこの街の中で、彼は目を凝らし捜し続ける
そこにはきっと、想い焦がれた幸せが隠れていると願っているから、、、。