アニメ「平家物語」6話解説
アニメ「平家物語」の6話が放送されました。
5話が以仁王の挙兵の話で、その直後の話となります。
以仁王が全国の源氏に令旨を発し、全国で反平家の機運が高まりました。
以仁王軍にあっけなく勝利した平家は、この時点ではまだ源氏のことなど気にもとめていない様子でした。
1.遷都について
福原京(現在の神戸市)に遷都する話でした。
遷都とは、天皇の住居(=政治の中心地)が移ることです。
奈良時代までは何度も遷都がありましたが、784年に長岡京に移り、その後794年に平安京に移ると、遷都は行われなくなりました。
清盛が福原を気に入っていたのは、福原が港町であり、宋(中国)との貿易を盛んに行っていたからとのことです。
平清盛は自身が住むだけでなく、遷都まで目指した理由は、安徳天皇(清盛の孫)から始まる新王朝の樹立を表明したかったからです。
これまでの藤原氏ら貴族が中心であった平安京から、平家が中心となる福原京へと遷都することで、新王朝樹立、政権交代を完成させたいという思惑がありました。また、度重なる火災によって荒廃した平安京を放棄するという側面もありました。
そもそも、遷都というのは天皇だけが命令を下せるものです。天皇が幼少の安徳天皇だったという事情があったとしても、天皇ではない清盛の意向で京を移そうというのは異例でした。
なお、この時代の遷都は、建物を解体して木材を輸送し、組み直すという形をとっていました。6話の序盤でもそのようなシーンが描かれていました。
道路事情が現在と異なるので正確性には欠けますが、Google MAPで調べると、京都(六波羅)から神戸(福原)まで徒歩で行くと約15時間かかるとのことです。大変そうですね。
しかし、ご存知の通り、遷都は途中で中止となります。
一説によれば、中止となった理由は、富士川の戦い(後述)で頼朝との戦いが悪化したことが原因で、頼朝討伐に集中するためとされています。遷都もやって戦もやってとなると費用も人手もかかりますからね。
もし頼朝が挙兵しなかったら、今の京都は千年の都ではなかったかもしれません。
2.平敦盛
今回、平敦盛が初登場しました。当然、熱盛でもなければ、「あつまれどうぶつの森」でもありません。

敦盛は、清盛の弟・経盛の息子で、末子ということもあり父親と歳が離れています。
資盛、清経と仲が良く、系図上は、資盛、清経の父親である重盛の従弟になりますが、年齢は敦盛の方が若く、このときはまだ数え12歳です。声優がショタ声で人気の村瀬歩くんということもあり、とてもかわいらしく見えます。実際の敦盛もきれいな顔立ちをしたイケメンであったと伝わっています。
敦盛に関しては能や歌舞伎、映画など、後の時代の芸能の題材として使われることが多く、また、中学校の教科書にも載ることがあるため、知っている方も多いと思います。織田信長も敦盛の能が好きだったみたいです。
3.源頼朝
6話にして初登場しました。言わずとも知れた人です。

平治の乱で父、義朝が殺害されたことに伴い、頼朝は捕らえられました。頼朝も死刑になる見込みでしたが、清盛は何故か死刑にせず、伊豆に流すことにしました。なぜ死刑にしなかったのかは諸説あります。
平穏に暮らしていた頼朝の元に、僧の文覚が義朝のどくろだと言って近づいてきました。
かなり胡散臭い僧ですが、結果として頼朝の挙兵を促すきっかけとなります。
頼朝は石橋山(現在の神奈川県小田原市)で敗れ、命からがら安房国(現在の千葉県鋸南町)に船で逃げました。
頼朝は千葉で味方を増やすなど力を付けて再起を目指します。千葉県内には頼朝が訪れたと伝わる寺社が多いです。
そして、石橋山での大敗からわずか1か月半で、富士川の戦いという大一番を迎えます。
それにしても、大河で大泉洋さん、アニメで杉田智和さんと、どちらもコメディに特化した人が演じているため、頼朝にネタキャラとしての印象が付きそうです。
4.富士川の戦い
清盛の孫で、先の棟梁であった重盛の長男、維盛が頼朝追討軍の大将に選ばれます。
頼朝軍とそれに味方した武田信義連合軍が、追討軍と富士川(現在の静岡県富士市)で激突します。
これが富士川の戦いと言われます。なお、武田信義の子孫の中には有名な武田信玄がいます。
頼朝軍が20万騎という情報が入りますが、それはさすがに盛りすぎでしょう。圧倒的な戦力差を前に恐れをなしたかどうかはわかりませんが、目立った交戦もなく、追討軍は逃げ出しました。維盛も京に逃げ帰りますが、「なぜ戦わなかった」と清盛に激怒されました。維盛は元々頼りない描写が多い人物でした。
これまで、平家が圧倒的な戦力で勝利してきたため、平家と戦おうなどと考える人は極わずかでした。
しかし、屈辱的な不戦敗をしたことで風向きが変わり、これ以後、全国各地で反平家の兵をあげる人たちが増えます。
5.このころの天皇家
6話の天皇家ですが、後白河法皇は相変わらず幽閉生活です。
高倉上皇は病気で寝込んでしまいますが、幼いころからずっと憧れていた旨を徳子に伝えます。
徳子としてはこれは嬉しいですね。
数え3歳の安徳天皇は何も知らずにすくすく成長しています。
お願い、死なないで清盛!あんたが今ここで倒れたら、平家や安徳天皇はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、頼朝に勝てるんだから!
次回、「清盛、死す」。デュエルスタンバイ!
平家滅亡まであと5年