新入社員に「世界初か?世界一か?」本田宗一郎の指導 致知2011年2月号 | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
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致知2月号のトップ対談記事は




ユニクロの柳井社長と




ホンダでシビック・アコード・オデッセイなどのデザインを手がけられた




岩倉信弥さんの対談ですが、




これがものすごく面白い対談です。




(全文ここに書き写したい位)






今日はこれぞホンダの真髄、という逸話の部分。




岩倉さんがホンダに入社されたのは1964年だそうです。




ホンダは1946年創業で




1964年当時はまだ自動車メーカーでなくバイクメーカー




あのスーパーヒット作の原チャリ「スーパーカブ」が1958年発売で、




自動車事業は1963年にスタートしたばかり、という頃です。




創業社長のあの本田宗一郎は現場で社員と一緒になって仕事をしていて




新入社員の岩倉さんもこのような指導をされた、ということです。






例えば、僕のスケッチやモデルを見て





「世界初か?」とか「世界一か?」とか。





こちらはそんなものをつくっているわけじゃないから





「はい」とも「いいえ」とも答えられない。





そのうちに「そうだろう!?」と聞かれて「はい」と(笑)。





せにゃいかんわけですよね、世界一に。





どうしたらできるんだろうと考えながら、





また叱られて、叱られてという毎日でした。








ちょうど僕の入社した1964年、F1に初参戦して





「今度は車で世界一になる」と言うんです。





オートバイでは確かに実績はある。





でも自動車はメルセデス・ベンツやポルシェ、フェラーリなんかが





競い合っている世界です。





いくら何でも、そんなことができるはずがないだろうと思っていたら、





次の年のメキシコグランプリで本当に世界一になるんです。





そういう中にいますからね。





「想ったらなれる」





あるいは





「想わないとなれない」と。





じゃあ僕はどう想えばいいのか。





自分はデザイナーだから世界一のデザイナーになろうと想おう。





そして、そのためにはどうすればいいかと考え続けました。





本田さんからはしょっちゅう





「真似すんな」





「やりもせんに」





と叱られました。





屁理屈を言ったり





「できない」と漏らしたりすると、





ものすごく叱られるんですよ。





こっちは大学を出ている分、それなりに理屈も分かってまして





「まぁ、そうは言ってもできないよね」





と皆で話し合って結局やらないわけです。





でも本田さんに怒られてやってみるとできるんですよね。





思えば本田さんが叱った時、





正面から向き合って結果を出さなかった人はいませんでした。





要はこちらの本気を問われていたんです。






新入社員の描くデザインに対して「世界初か?世界一か?」




と問い




「真似すんな、やりもせんに(始めからあきらめるな)」




と叱り続け、本気で取り組ませて結果を出させる




本田宗一郎。




世界のホンダはこうやって創られた、




ということが伝わってくるような熱い逸話です。