昨日の記事
新入社員に「世界初か?世界一か?」本田宗一郎の指導 致知2011年2月号
の続きです。
ホンダでシビック・アコード・オデッセイなどのデザインを手がけられた
岩倉信弥さんの話です。
本田さん(ホンダ創業者:本田宗一郎)が毎日怒るのを
「カミナリ、カミナリ」
と我々は言ってたんですが、怖いから皆逃げるわけです。
ただ、なぜ怖いのかと考えてみると、
カミナリが上にあるからなんですよね。
ジャンボ機でそのカミナリより上に行けば、怖くも何ともない。
結局、本田さんが怒るのは、
経営者として考えているからなんです。
こうしなきゃお客様は喜ばないという発想だから、
考え方が哲学的になる。
一方、こちらはデザイナーとしての視点だけで考えている。
つまり「シンキングレベル」が違うわけです。
だから自分のシンキングレベルを上げるしかないんだと。
カミナリの怖さを克服するために、
体を逃がさず、心で勝っていこうと考えたんです。
そうやって本田さんになったつもりで、
本田さんと同じ視点で考えると、急に怖くなくなった
という経験がありますね。
そう考えてみると、僕がすごいなと思った仲間たちは、
その時は年が若くて、立場も低いんですけど、
常に経営者的視点を持って物事を考え、
後に社長になったり、役員になったりしていましたね。
これも実際に岩倉さんが若き日に
本田宗一郎との間で体験した素晴らしい逸話です。
「本田さん=経営者と同じ視点で考えたら急に怖くなくなった」
この、いい意味での「上から目線」は本当に重要な視点です。
私もこの岩倉さんほどの鮮やかな体験ではないですが、
カミナリ上司の元で仕事をしてきて、
自分の立ち位置よりも上に上がって物事を見る、
ということの大切さを学びました。
「カミナリが怖いのは上にあるからだ」
名言です。