ゴッホ展 晩年の風景画の持つ強烈なうねり | S blog  -えすぶろ-

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走りながら考える ランニング・読書のブログ

昨日ようやくゴッホ展を観に行けました。

今年は先月にドガ展↓

ドガ展 横浜美術館 不思議で孤独な画家

8月にはオルセー美術館展↓

オルセー美術館展 圧巻はモロー『オルフェウス』とルソー『蛇使いの女』

と、日本にいたらなかなか観る機会のない絵画を

たくさん観る事ができたいい年でした。

そして締めは長年付き合い続けてきたゴッホ。

初めてゴッホの画を観て衝撃を受け

その後、小林秀雄の『ゴッホの手紙』を読んで

この画家の生涯を知って更に衝撃を受けました。

あれからもう30年近く経ちました。。。

ゴッホの手紙 (角川文庫)/小林 秀雄

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ドガはその「見え過ぎる眼」が

病気によってほとんど見えなくなってしまった

晩年の作品が本当に凄い画ですが、

ゴッホもまた、

「恐ろしい発作」が起こり出した後の作品が物凄いです。

1888年にアルルでゴーギャンとの共同生活中に

ゴッホが自分の耳を切り落とした事件は有名ですが、

その時からこの発作が繰り返し起こるようになり、

1890年に亡くなるまで彼を苦しめました。

「狂人」の烙印を押されたゴッホは

その後アルルを離れざるを得なくなり、

サンレミの療養所に収容され、

最後はオーヴェールでピストル自殺により37歳で亡くなるわけですが、

その間の僅か2年間に描かれた作品こそが正にゴッホ。


今回の展示で印象に強く残ったのは

そのサンレミの療養所の庭の画、

これでもかと言わんばかりに塗りたくられた絵の具

(絵の具がボコボコと出っ張りまくり。ほとんどもう3Dです。)

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そして、外出許可をもらって描いた近隣の松の木と夕日の画

冬の寒さの中、夕日に照らされた、こんなに枝が折れてぼろぼろの松の木、

こんな木をモチーフに選んだゴッホの心が痛いです。

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ゴッホの画には、独特の「強烈なうねり」を感じます。

彼の中で精神を崩壊させる位にまで育ったその強烈なうねり、

彼の画は、丸裸にされた命の源のようなもの?

また、今回も心を抉られて来ました。

しばらく胸騒ぎが止まない・・・