1冊の本からインスパイアされたことをエッセイに書く、オンラインサロン『ふみサロ』

 


私にとっては最後となりましたが、(今年一杯で卒業させていただきます)

12月の課題本は、

「成功している人は、なぜ神社に行くのか?」

八木龍平著 です。

 


【エッセイはここから】


 今年の元旦、天国へと旅立った父との思い出の神社があります。 

それは、京都市北区にある「今宮神社」です。

私が子供の頃には家族でお参りした記憶がありますが、父は1人で毎月お参りしていたようです。



 あれは2年前のお正月、父と2人で「今宮神社」へ初詣に出掛けることになりました。

ヘビースモーカーだったことが災いし、肺気腫を患っていた父は、足腰もすっかり弱っていた為、自宅からすぐ近くの場所でタクシーを拾いました。



 参拝後、参道にある名物の「あぶり餅」屋さんに立ち寄りました。

道を隔てて、平安時代からの歴史がある、なんとも情緒のあるお店が2軒ー

竹串の先についた小さなお餅を店先の炭火であぶり、京都独特の甘い白味噌のたれをかけてある、とても素朴なものです。

なぜかは分かりませんが、父は『かざりや』さんを贔屓にしており、ずっと『かざりや』さんしか行ったことがありません…

なので、やっぱり『かざりや』さんへ。



 隣の席には、他府県から来られた60代くらいのご夫婦がおられ、話好きの父と「あぶり餅」や京都についてのたわいもない会話が始まりました。

炭火で少し焦げた部分が香ばしい「あぶり餅」を

「やっぱり、美味しいな~」と口に運びつつ温かいお茶を飲みながら、とてもうららかなお正月の、なんとも和やかな時間が流れていきました。



 帰りに父は頑張って、ゆっくりゆっくり最寄りのバス停まで歩き、一緒にバスに乗って帰りました。

神社からバス停までは結構あったから、歩けたことを父はとても喜んでいたっけ。

あんなにのどかなお正月はなかったな…。



 「今宮神社」の摂社に「織姫社」があります。

西陣織業者が創始したお社で、御祭神は、

「栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)」、七夕伝説の織姫に機(はた)織りを教えた神様だそうです。

この社前の献灯碑は、機織りには欠かせない

『杼(ひ)』の形をしています。

父に代わって、これからは私が月参りをしようと思っています。


【ここまで】