名前を知らない花が咲いていた。
白い花が咲いていた。
小さめの木にたくさん咲いていた。
あの花の名前はなんていうの?
と聞いたら、
なんとかベリーという花らしい。
名前が長くて、覚えられなかったから、
そのうち、花の写真を撮ってからまた聞かなくちゃ、
と思っていたのに、
昨日の雨の、前に、散っていた。
心の中の、すっと空いた隙間の時間になると、いつも、
「幸せ、って、なんだろう」
と、何度も何度も心の中で転がしている。
転がしたからって、
ペットの餌やりみたく、
コロン、って答えが出てくる訳でもないけれど、
そうして、
またちょっとため息が、ででしまう。
白い花は、また来年咲くよね。
たぶんね。
誰に聞く訳でもなく、心の中で尋ねてから。
散ってしまった花びらが、
少し肌寒い風に揺らされてるのを眺めている。
花が咲いていると、名前が知りたくなる。
どうしてかな。
知らなくてもいいし、
花にしてみれば私に知られなくてもいいし、
知っていようと、知らないでいようと、
花は、
ただ咲いている。
命を繋ぐために。
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