今日は、表裏(ひょうり)という言葉です。
最近の沖縄米軍・普天間基地の移設問題を考える時、単に、米軍基地の移設問題だけでなく、もっとドロドロした問題が根っこにあるのではないか、と思えるようになってきました。実は、普天間基地は、初めから周囲が住宅地に囲まれていたのではなく、野原のど真中にできた米軍基地の周囲に住宅地が出来上がってきて、今の危険な状況になっているのが一点。もう一つは、この基地で働く沖縄県人が相当数おり、辺野古に基地が移設されると雇用問題が起きる事。そして、基地で潤っていた周辺商業施設が、経済的に困る場面が出てくること。従って、別軍基地移設を反対することで支持を得ている沖縄県内の地方議員は、大いに困った事態になること。こう考えると、左翼活動家やプロ市民と言われる本土の左翼人士が沖縄で騒いでいる表向きの理由とは、別の、沖縄県の雇用・経済の問題が渦巻いている事も良くわかります。この表裏(ひょうり)の事情が複雑に絡み合っているのが、米軍基地の移設問題なんです。
さて、表裏(ひょうり)ですが、表(ひょう)は、おもて、おもてに出してはっきりさせる、あらわすetc.の意味です。また、裏(り)とは、物の内側、物の経過するあいだetc.の意味です。表裏(ひょうり)とは、表面に現れている事象と裏側に隠れている一方の事象。
社会で起きている様々な事件・事象には、必ずと言っていいほど、表と裏があります。人間に二面性があるように、社会にも二面性があるということです。私達が、様々な出来事に遭遇したり、組織の中で、様々な人間関係に悩んだりするときに、この“二面性”を意識しておくと、分かりやすいかもしれません。