縁起(えんぎ) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

ドキドキチョキ
 今日は、縁起(えんぎ)という言葉です。

 昔の記憶ですが、子供心に覚えている一節“こいつは春から縁起(えんぎ)が良いわい~!”といった言葉を覚えています。多分、歌舞伎の中のセリフだったか。ネットで調べてみると、やはり歌舞伎の中のセリフ・・三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)という演目の中に出てきます。この話は和尚吉三とお嬢吉三、お坊吉三という三人の吉三と名乗る盗賊の物語です。この中でお嬢吉三が夜鷹から百両もの小判を強奪したときのセリフで、冒頭部分から有名です。

 
月も朧に白魚の篝(かがり)も霞む春の空
冷てえ風もほろ酔いに心持ちよくうかうかと
浮かれ烏のただ一羽ねぐらへ帰える川端で
竿の雫が濡れ手に泡思いがけなく手に入る百両
ほんに今宵は節分か西の海より川の中落ちた夜鷹は厄落とし
豆沢山に一文の銭と違って金包み
こいつぁ春から縁起が良いわい

百両をせしめて浮かれている、そのセリフが今に伝わっているそうです。


 さて、縁起(えんぎ)ですが、縁(えん)には、一般にものの周辺部、頼りにする、手掛かりにする、原因を助けて結果を生じさせる作用、直接的原因に対して間接的原因etcのような意味があります。また、起(ぎ)には、起き上がる、立つ、活動を始める、現れる、はじめ、おこりetc.のように色々な意味があります。ここで縁起(えんぎ)ですが、何かの兆しが現れ始める...といったような意味でしょうか。辞書を紐解くと、確かに、吉凶の前兆という意味がありました。

ラブラブ音譜
皆様にも、今年は春から縁起が良いわい~♪♪のような、吉事がありますように!