距離(きょり) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

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 今日は、距離(きょり)という言葉です。

 “心の健康”あるいは“健康な心”ということについて、少し考えてみます。心が病んでいる状態というのは、どのような状態でしょうか。病むというのは簡単に言うと心が、嫌な気持ちで満たされる状態です。不安とか、恐怖とか、そういうもので心が満たされている状態を、心が病んでいるといいます。そして長いことこの状態でいると、それが固定化され、鬱等の症状となりメンタルクリニックに通わなければならなくなります。軽傷の内は、自分自身で、その不調に気が付き病院に向かう事もするのでしょうが、重症になると、病んでいる自分を客観視できなくなるような気がします。こうならないよう“心の健康”を保つためには、いったいどうしたら良いのか。それは、自分の心を悩ませる原因となるものから、自分自身を遠ざける。距離(きょり)を置いて、心の負荷を極力軽くすることです。また、ある人が心を病んでいる事に気がついたら、その心の重荷から、極力距離をおけるように配慮して上げることも必要でしょう。

 さて、距離(きょり)ですが、距(きょ)には、間をおく、間がある、へだたる、こばむ、ふせぐetc.の意味があります。離(り)には、わかれわかれになる、はなれる、わかれるetc.の意味になります。即ち、距離(きょり)とは、間をおいて離れる事です。適当な距離をとることで、冷静な判断ができたり、心の負荷を軽くしたりすることができます。

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 よく、距離感という言葉も使います。難しい相手との関係を、これ以上こじらせないために、近づかず、離れず。適当な距離感を常に保つこと。お互いに依存せず、お互いに依存させない。そんな関係が、バランスのとれた関係を保つためには必要な場合があります。これは、国と国の関係、個人と個人との関係、あるいは組織と組織との関係。いろいろな関係性の中で、ストレスを感じる相手と共生する場合には、必要な知恵かも知れません。