引退(いんたい) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

aya仕事
 今日の言葉は、引退(いんたい)です。

 昨日、元巨人軍監督の川上哲治氏の訃報が飛び込んできました。享年93歳。プロ野球から引退(いんたい)をして何年になるのか。老衰と聞いていますので、波乱万丈の人生を生き抜いたという感じでしょうか。貧しかった子供時代、野球少年からプロ野球に入ったのは家族のため、その後、戦争のために徴用され、敗戦後は故郷で畑仕事で家族の生計を助け、巨人からの再度の入団要請を受けてプロ野球に戻る。その後、野球の神様といわれるほどに、プレーヤーとしても監督としても、他の誰もが真似の出来ない実績を積み重ねていく。あの長嶋氏や、王氏が、人生の師と仰ぐ人物。人間、生きているうちが花ですが、死んだ後も、生きている人々の心の中に生き続け影響を及ぼす、そんな偉大な野球人が川上哲治という人物なんだと感じます。

 さて、引退(いんたい)です。引(いん)には、ひっぱる、ひきよせる、つれていく、みちびく、ひきうけるetc.の意味があります。退(たい)には、しりぞく、地位を去る、遠ざける、身をひかせるetc.の意味があります。引退(いんたい)とは、人生あるいはその仕事をやり通し、自らの意志で、その地位を去るように、自らを誘導することになるのでしょう。

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 引退の時は、いつかは誰にでも訪れるものです。諸先輩方が、その時を迎え、潔く職場を去っていく姿を何度みたことでしょうか。私の記憶の中では、皆な、気持ちよく職場を去り、それぞれの地域に戻っていったように見えますが、人生何十年も生きてくると、いい加減疲れも出てきます。普通の人は、自らの意志で、引退をしたいと思うことがあります。サラリーマンの場合、定年制度がありますので、制度が自分の職業人人生に幕を引いてくれます。問題は、その後でしょうね。私自身、その後の事は、具体的に何をしたらよいのかイメージがありませんが、そろそろ真剣に考える時期が近づいているようです。