虚実(きょじつ) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

あっハート

 今日の言葉は、虚実(きょじつ)です。


 非現実であり、現実である。嘘のようであり、真実である。虚々実々(きょきょじつじつ)という言葉があるが、この場合の虚(きょ)は備えのすき、実(じつ)は備えが固いことを意味します。この言葉は、互いに力の限り、技の限りを尽くして戦う様子を意味するようです。私がイメージしていた意味とはまるで違っていました。実は、今朝の通勤途上、インターネット上のコミュニケーション、時空を超えたやりとりを言葉で表すと、どんな言葉になるのか?等と考えていたときに浮かんで来たのがこの虚々実々です。バーチャルであった、リアルでもある。バーチャルとリアルの境目が無くなってきているのが今のインターネットの世界ではないかと。


 虚々実々を短くすると、虚実(きょじつ)になります。意味は、若干異なっています。さて、虚(きょ)とは、中身がない、空っぽ、邪心がない、備えがない等の意味となります。実(じつ)は、中身が備わる、真心、まこと、本当等の意味となります。この2文字は、正反対の意味をもちます。それでは、虚実(きょじつ)の意味ですが、ないこと(=虚)とあること(=実)。嘘と本当。まさに、バーチャルとリアルです。


きゃーvVハート

 虚と実は正反対の意味をもつ言葉ですが、インターネットの世界では、その境目がなくなろうとしているように感じます。虚であるようで実であり、実であるようで虚である。まるで哲学の世界。なぜ、虚と実が近づいているのか。それは、人が人であるために、いつも誰かとつながっていたい。そんな思いが、バーチャルの世界に魂を宿らせる結果になりつつあるのでは。