前回お話ししたような事情でブログも少しお休みしてしまったが、久々ご紹介するのは、ジュールス・ダッシン監督の「真昼の暴動」(1947年、Brute Force)である。ウェストゲイト刑務所における集団脱走をテーマにした社会派ドラマだ。

 

主人公のジョーを演じたのはバート・ランカスターだ。

 

この刑務所には、所長の椅子を狙う冷酷・残忍な看守長(ヒューム・クローニン)という絶対的存在がある。小心者の所長(ロマン・ボーネン)は何も手を出せないが、人情深く、ことごとく囚人たちの側に立つ医師(アート・スミス)もいたりする。

 

出所を間近に控えながら、ジョーに力を貸すギャラガーにチャールス・ビックフォード。

 

このほか、ハワード・ダフ、ジェフ・コーリイなど。

 

刑務所内にいない女性は、院外のシーンで顔を出す。病身ながらジョーを待ち続けるルースにアン・ブライス。

 

エラ・レインズ、

 

イヴォンヌ・デ・カーロなど。やっぱり塀の外がいいぞと思わせるような綺麗どころが次々と登場する。

 

クライマックスの暴動のシーンまで飽きさせることがない。脚本はリチャード・ブルックスである。私、リチャード・ブルックス、好きなんだけど、これが脚本デビュー作だろうか。その後、このブログでも取り上げた「十字砲火」の原作、さらにはヒューストン監督の「キー・ラーゴ」の脚本と大活躍を見せる。さて、音楽のほうはミクロス・ローザが担当している。暗いタッチの刑務所ものに、いつものあの雰囲気のスコア。しっくりくるかどうかは、彼の音楽をどれだけ聴いているかにもよるな。

 

看守長の所長就任が発表されることで、図らずも、所内は大暴動となる。残虐なこの男を引きずり下ろすことは脱獄よりも重要だと言わんばかりの最後の闘い。バート・ランカスターの配役がここで活きてくる印象だ。