今日ご紹介するのは、エドワード・ドミトリク監督の「十字砲火」(Crossfire、1947年)である。本国では公開して3カ月で上映禁止となったそうだ。単なるサスペンスではなく、ユダヤ人差別問題をテーマにしたからであろうか。

 

ユダヤ人の復員兵が殺され、事件を調べる警部フィンレイにロバート・ヤング。

 

復員兵の一人、モンゴメリーにロバート・ライアン。

 

キーリー軍曹にロバート・ミッチャムと、主演の3人のファーストネームが揃ってロバートなのも偶然とはいえ面白い。

 

犯人捜しのサスペンスよりは人種差別のほうに重きを置いたような作風である。右は、マリオ・ドワイヤー。

 

女優陣で最も出番の多いのがグロリア・グレアム(左)、ジャクリーン・ホワイト、右端はポール・ケリー。

 

原作はあの、リチャード・ブルックスである。本作は、カンヌ国際映画祭の社会的映画賞を受賞したほか、アカデミー賞にも、作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞(ロバート・ライアン)、助演女優賞(グロリア・グレアム)がノミネートされた。