2022年最初のブログです。喪中で年賀状は出さなかったから、ブログだけで、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年明けは毎年恒例、功夫・武侠もののできるだけ豪華なのを紹介するようにしています。
 

今日は張徹(チャン・チェ)監督の台湾映画、「上海灘十三太保」 (1984年、The Shanghai Thirteen)を紹介したい。日本では劇場未公開だが、DVDは「上海13」、VHSは「必殺・ザ・ドラゴン」という邦題でそれぞれ発売されている。出演陣がやたら豪華で、主な出演者を紹介するだけで終わっちゃうそうな映画です。南京政府の機密文書を巡る争奪戦に上海の13人(英語では13 Rascal)が敵味方に分かれて活躍する。13人はコードネーム(というより、愛称かな)だけで互いに顔を知らないため、誰が上海13のメンバーか、誰が味方で敵か分からない、という設定で最後まで引っ張る。細かいストーリーは、kiyoさんのブログをご参照ください。

 

で、いきなりオープニングから登場するのが王羽(ジミー・ウォング)。ジミーさんはBlack Hatと呼ばれる金庫破りで、

 

南京政府の機密文書を盗み出して国を守ろうとする政府高官の江明(チア・ミン)に協力する。なんと、ジミーさんの出演はこの冒頭のシーンだけ。

 

江明を敵から保護して重慶に無事に送り届ける任務を引き受けるのが陳觀泰(チェン・カンタイ)。英語ではProdigalというコードネームだったが、要は上海13のボス的存在です。

 

常楓や張泰倫(右)は江明から書類を奪い殺そうとする悪い奴らとして登場する。陳觀泰に簡単にひねりつぶされてまったく力及ばずの張泰倫だが、こいつが最後まで悪者としてしつこく敵を悩ませる。陳觀泰がそれだけ強いということなのかな。

 

Rifle として登場する李修賢(ダニー・リー)はスナイパーだ。陳觀泰の部下が囮になって彼に狙撃されたりと、いわゆる張徹の男の美学のような演出も垣間見える。

 

江明を別の安全な場所へと連れ出す役を請け負ったのはSmokerこと江生(ジャン・シェン)。右は、葉飛揚。

 

江生は殺されてしまう。しかも、張泰倫にだよ。五毒メンバーは出てくるだけで嬉しいのになぁ。いい俳優がちょっとずつ画面に登場しては消えていくって、なんという映画なんだ!

 

次に江明を預かるのは、洗濯屋を営む王鍾(ワン・チュン)でGlassesという上海13の一員。しかし、左の従業員、張繼龍の裏切りに遭う。

 

続いて登場するのは、梁家仁(レオン・カーヤン)。Rich Man(富豪)というコードネームだが、金を持っていると女性に囲まれるという安易な発想だよね(笑)。カーヤンのにやけた表情と、その直後の素晴らしいアクションの対比が面白い。

 

カーヤンの妹に朱海玲、その彼氏にStudentこと 劉德華(アンディ・ラウ)。

 

カーヤンとアンディを殺すのが、  Tigerこと鹿峰(ルー・フェン)。手下たちは「殺」と書かれたTシャツ着てるけど、鹿峰は胸に直接書いている。

 

最初に書いたように、俳優紹介するだけでいつまでも終わりそうにありません。だって、大詰めになってようやく姜大衛(デビッド・チャン)がカジノの経営者として登場したりする。その左は、李中一。

 

李中一と闘っているのが、Big Leopardこと戚冠軍(チー・クワンチュン)。

 

姜大衛と闘っているのは、Bearこと王青(ウォン・チン)。ほかにカジノのイカサマ師に嘉凱など。

 

終わりも近いのにまだまだ登場するよ。狄龍(ティ・ロン)。

 

カジノで快刀として登場した程天賜(リッキー・チェン)が、大詰めで味方に転じる。 闘っているのは、戚冠軍の弟役の尤少嵐(Black Leopard)。激しい死闘を繰り広げる。

 

そして、ついに濃い顔、いや、陳星(チェン・シン)がEagleとして登場。中学時代、『近代映画』の増刊号か何かで、「アジア(香港だったか)のチャールス・ブロンソン」として紹介されていたのが印象的で、「怒れるドラゴン 不死身の四天王」で初めて見ることができた。好きな俳優さんでした。

 

ラストは狄龍と程天賜の対決。程天賜が味方に転じるる理由や、この勝敗のつけ方についても張徹のこだわりが見られる。次から次へとスターが顔を出しては画面からいなくなる不思議な映画で、ストーリーはあってないようなものだが、その分、アクションシーンは理屈抜きに楽しめる。

 

1人1人の活躍シーンは短いんだけれども、これだけの俳優のアクションが1本の映画で見られるというのは、考えてみると素晴らしい。豪華な俳優たちが勢ぞろいするので、私がいつもブログでいじっている陳星の濃い顔がいつもより目立たないくらいであった(ホンマか)。