先日ジムで「カエル足腹筋って効果あるんですか?」と質問されました。

ネットか何かで仕入れた情報だと思いますが、これちょっと即答しにくい質問なんですよね。

カエル足腹筋というのは平泳ぎのカエル足みたいに両膝を曲げて左右に開いたまま腹筋運動をするエクササイズで、通常の腹筋運動よりも効果的とされてます。

何がどう効果的かを説明する前に、まずは通常の腹筋運動について考える必要があるかと思います。


「腹筋」というと俗にシックスパックと呼ばれる腹直筋を連想する人が多いと思いますが、実は通常の「腹筋運動」は腹直筋を鍛えるにはあまり効率が良くない運動なのです。


腹筋運動をする際には腹直筋だけでなく、腹斜筋や大腿直筋に腸腰筋といった股関節周辺の複数の筋群が動員されます。


特に動きを大きくしようとか回数をこなそうとかすると、出来るだけ多くの筋群を同時にあるいは交互に利用するため腹直筋をピンポイントで刺激するするのが難しくなります。


むしろ腹直筋をあまり意識しない方が楽に回数をこなせたりします。


それに対し両膝を曲げて脚を開くと股関節周辺の筋群に力を入れるのが難しくなり、結果的に腹直筋への負荷が強くなります。


つまりカエル足腹筋が効果的とされるのは、腹直筋を強く刺激しやすいという意味なんですね。


これは通常の腹筋運動では何十回やっても負荷が弱すぎて、腹直筋に効いてる感じがしないという人には確かに効果的と言えるかもしれません。


ですがそもそも腹筋運動が数回しか出来ない人や普段あまり運動していない人にとっては刺激される筋肉がピンポイントすぎて、あまり効率の良い鍛え方とは言えません。


特にシェイプアップが目的で下腹を引き締めたいという人の場合、腹直筋だけを鍛えるよりも腹斜筋や腹横筋も鍛える方が効果的です。


腹直筋を鍛えるだけではなかなか下腹が凹まない理由については以前にも書いた事があるので、こちらも参考にしてみて下さい。

腹筋下部 


こうした事を詳しく説明しようとしても大抵の人は途中で話に飽きて「結局効くの?効かないの?どっちなの?」となるので、相手を簡単に納得させられる説明の出来る人はホント尊敬します。


ちなみに冒頭の質問に対する私の回答は、


「人にもよるし、目的にもよります」


まぁなかなか納得してもらうのは難しいですね。


そもそも「●●は効果的ですか?」って質問は、どんな効果を期待しているのかによって答えが違ってしまうので話がどうしても長くなるんですよ……。