
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞご贔屓によろしくおねがいします。
新春は恒例の小豆雑煮の記事です。
こちらがわが家のお雑煮、島根県出雲地方海岸部を中心とする地域のお雑煮は「小豆雑煮」。
私の実家は松江市郊外の島根半島にある片江という集落ですが、ごらんの通りぜんざいそのものですな。
出雲=小豆雑煮=ぜんざい、この事実を知らない方は大抵元日から驚愕することになります。w
ちなみに嫁は生粋の京都人ですが、白味噌雑煮なんぞ絶対許しません。
そのぜんざいも神在月に八百万の神々に供えられた神在餅が起源といわれます。
「神在」が転じて「ぜんざい」だそうですね。

毎年お正月は小豆雑煮とそれにまつわる雑学の記事と決めてますが、さすがにネタが尽き...と思ってたところに朗報が...ゴホゴホ。
今年は20年に1度の方結神社の頭屋(とうや)の年。
実家にとんど祭りや墨つけ神事など片江の神事を司る頭屋が回ってきたというのです。(*^ー^)ノヤター!!
任期は10月からの1年間、ちょうど神在月からというのもおもしろいですね。
荒神さんに柏手を打ち、各入江で潮を汲み禊ぎをします。
同じ旧町内でも美保関の頭屋は、事代主命が恋路の邪魔をされたので鶏肉も食べられないのだとか。
今年も小豆雑煮ネタが続けられそうですな。
力自慢の親父ももう71歳、本人曰くたぶん人生最後の頭屋は、若いもんに伝統を伝えるのだそうです。
そんな頭屋が司る神事のひとつ12月26日の奇祭膝餅神事。
年末の注連飾りを終えた片江の集落に六部(巡礼、実は地主神の国忍別命)がやってきて餅を所望します。
餅はすべてお供えし臼や杵にも注連飾りをした後だったため、蒸した餅米と小豆を茣蓙に包んで膝で餅をついた。
この伝説が膝餅神事の由来。
頭屋の長男が膝餅をつく習わしですが、子供が少ないので最近では親戚まわりも対象になるのだとか。
伝統の神事も過疎化にはかなわないというわけですな。

1974年の年末に私は膝餅神事を経験しましたが、NHKのTVクルーが取材に来ていました。
その夜のNHKのニュースでは「最年少のNくん(←私のこと)は恥ずかしいのかあっという間につき終わりました。」のナレーションつき。爆
いやぁ、確か膝がめちゃくちゃ熱かったんですよ。
膝餅とは蒸した1升のもち米に茹でた1升の小豆を混ぜ、「ござ」に包んでその上からかわるがわる膝でつきます。
つきあがった餅は十二支をかたどった12個の餅に丸められ、方結神社の神前へ。
その後正月5日に切り分けられて各戸に下げられ、それを食べれば今年も無病息災というわけ。
私はそもそも神在餅はこういうものではないのかなと思います。
お供えするならこっちのが日持ちしそうですな。
この週末は片江最大の頭屋行事、とんどさんと墨つけ神事が行われます。
新婚のときは海に投げ込まれる習わしですが、結婚18年にして未だ....ゴホゴホ。
実家にすんでいれば私も伝統を継承しなくてはいけないのですが。
今年もどうぞよろしくお願いします。