いきなりステーキの知財ポジショニング戦略とは? | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

立ち食いスタイルのいきなりステーキですが、

その知財ポジショニング戦略はどうなっているんでしょう?

 

 

 

知財ポジショニング戦略とは、

独自のポジションを特許や商標などの知財で守ることです。

これにより他社の同じポジションへの参入障壁ができますので、

例えば高くても売れる商品やサービスとなり高収益が期待できます。

 

 

出典:いきなりステーキのホームページのNaruoブランドサーロインステーキ

 

 

 

ところで「いきなり!ステーキ」が店舗名になっており、

商標は「いきなりステーキ」(登録5663544)

でしてビックリマークを使っていません。

以下の説明では商標の方をなるべく使います。

 

 

 

いきなりステーキは株式会社ペッパーフードサービス

が運営会社で代表取締役は一瀬邦夫さんです。

 

 

 

一瀬さんは27才で独立し、最初に開業した『ステーキくに』では

ハンバーグエビフライヒレカツもありました。

そのなかでステーキをやっていました。
しかし、現在までの未来を予見していた一瀬社長。

いずれ、ステーキの時代が来るということで商品をステーキ一本に絞った。」

(出典:The News Masters TOKYO 

”「いきなり!ステーキ」はなぜ立ち食いになったのか?”2018年6月2日)

 

 

 

最初に開業するときは、あれもこれもとやる人が多いですが、

「いきなり!ステーキ」は1本に絞って開業して成功した事例ですね。

なお、『ステーキくに』は今もハンバーグもエビフライもやっているようです。

 

 

 

ステーキ1本に絞ることにより、ステーキを食べたい顧客が増えて

売上が上がったのだと思います。

 

 

 

いきなりステーキは2013年12月5日に1号店を銀座にオープンさせた後、

最近だと2018年10月23日に337号店「ゆめタウン久留米店」

をオープンさせています。破竹の勢いというのでしょうか。

また、1号店を銀座としたところが一流の証なのでしょうか。

 

 

 

名前の由来は忙しいビジネスマンの為に

一件目からサクッといきなり気軽にステーキを食べて、次のお店へ

だそうです。分かり易いネーミングですね!

 

 

 

<いきなりステーキのポジショニングマップ>

いきなりステーキのポジションを調べてみました。

 

 

 

ターゲットはステーキを好きな量だけ安くさくっと食べたい人だと思いますので、

横軸をステーキの単価とし、縦軸を提供スピードとしました。

いきなりステーキは単価が安く提供スピードが早い、という

左上の独自のポジションに存在していることが分かります。

最近は値段を上げたという話があるようですが、

それでも他の企業と差別化できるのではないかと思います。

 

 

 

<いきなりステーキのポジションを守る商標>

いきなりステーキのポジションを守る商標は

店舗名の「いきなりステーキ」(登録5663544)だけです。

指定区分は43類で、

指定役務は飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供,

宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の媒介又は取次ぎ,

会議室の貸与,展示施設の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,

業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,

加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与

になっています。

飲食物の提供以外も指定していますが、

宿泊施設の提供や会議室の貸与のビジネスもやるのでしょうか。

 

コンセプトを店舗名にし、それを商標登録していますので、

商標は1つでもいいかもしれません。

 

 

 

<いきなりステーキのポジションを守る特許>

立食形式でステーキを提供するビジネスを

「ステーキの提供システム」特許第5946491号)

というビジネスモデル特許で守っています。

 

権利内容は以下のとおりです。

 

「お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、

お客様からステーキの量を伺うステップと、

伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、

カットした肉を焼くステップと、

焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップと

を含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、

上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、

上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、

上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備え

上記計量機が計量した肉の量と上記札に記載されたテーブル番号を記載したシールを出力することと、

上記印しが上記計量機が出力した肉の量とテーブル番号が記載されたシールであることを特徴とする、

ステーキの提供システム。」(下線は特許後に訂正された箇所です。)

要約しますと、

お客をテーブルに案内して食べたいステーキの量を聞き、

肉のブロックからステーキをカットして焼き、

焼いた肉をテーブルに運ぶ際に、

他のお客と間違わないようにシールに肉の量とテーブル番号を記録し、

そのシールを肉と一緒に提供するというものです。

 

立食形式はインパクトがありましたね!

最近は椅子を用意しているようです。

 

詳しくは飲食スタイルが特許に

で紹介しています。

 

 

いきなりステーキは独自のポジションを商標と特許で守ることで

チェーン展開して高収益が得られるビジネスモデルになっています。

 

 

これがいきなりステーキ知財ポジショニング戦略です。

素晴らしいですね!

 

 

 

 

 

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