「氷見うどん」の表示で約2億4千万円の損害賠償! | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

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仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

販売地を含む食品の商標は販売地で販売していれば、販売地を偽っている訳ではないので問題ないという勘違いをしていないでしょうか?

これに関連する「氷見うどん事件」があります。
原告の「海津屋」は、富山県氷見市でうどんを製造し、商標「氷見うどん」で販売していました。

一方、被告の「氷見うどん高岡屋本舗」は、富山県氷見市で氷見うどんを「氷見うどん」や「氷見の手延うどん」を使用して販売していましたが、うどんは岡山県で製造していました。

原告が被告を約3億6940万円の損害賠償と商品の販売差し止めを求めて訴えたところ、2007年10月24日に名古屋高裁金沢支部の判決で不正競争防止法第2条第1項第13号の「消費者に原産地を誤認させる行為があった」とし、被告に約2億4030万円の支払いを命じました。

なぜそんなに賠償額が高額になったかといいますと、利益が損害額とみなすという規定(不正競争防止法5条1項)があります。過去分も含めて累積したのだと思います。

不正競争防止法第2条第1項第13号には、不正競争行為として、「商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為」と規定されています。

つまり、商品の原産地等について誤認を生じさせるような表示をして販売等すると、不正競争行為に当たる、ということを規定しています。

地名と食品名からなる商標の場合、地名は通常は食品又は原材料の産地を表示すると認識されますので、販売地と異なる場所で生産された商品を販売地と食品名からなる商標で販売しますと、虚偽表示とみなされるおそれがあるので注意が必要ですね。



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