文字の配列も特許になる! | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

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仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

文字の配列も特許になる!


神奈川県相模原市に住む加藤喜盛さんが発明した58個(登録39個)のうちの一つに「時刻表」というのがあります。




この発明は、時計の「」を表す1~12のそれぞれの数字から放射状に発着時刻の「」を並べたものです(特公平06-054456号、特許第1936062号)。


特許請求の範囲(権利を求める範囲のこと)の請求項1には、次のように書かれています。
「【請求項1】
その内周には所定間隔を置いて円形状に時刻列を配列した時計文字盤の外周に、該文字盤の中心と上記時刻列のそれぞれの時刻を結ぶ延長線上に該時刻内の発着時刻を規則的に配列表示したことを特徴とする時刻表。」



発明の効果の欄には、「この発明によれば時計文字盤における短針が示す時刻の延長線上にある発着時刻表示列を見れば、その時刻における発着時刻を知ることができるため、極めて見易いものとなる。」と記載されています。


弁理士試験の基本書といわれている吉藤 幸朔(よしふじ こうさく)著「特許法概説」には、「文字等の配列の如き平面的なものも、構造の一種であり、平面的な構成によりこれを見る者において必ず一定の効果(見やすい、理解しやすい)を生ずる以上、広義には、自然法則の利用であると解することができる」と書かれています。
 

このように見易いとか、理解し易い等の一定の効果があれば、文字の配列等の平面的なものも特許になり得る!


なお、専ら、一定の経済法則ないし会計法則を利用した人間の精神活動そのものを対象とする創作であり、自然法則を利用した創作とはいえず発明に該当しないと判示した事例もあります(資金別貸借対照表、東京地裁平成14年(ワ)5502)。


余談ですが、この特許公報には「出願人において権利譲渡または実施許諾の用意がある。」と記載されています。これは登録料納付ときに申請すれば、公報に掲載されます。宣伝になっていいですね。





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