エアバッグの大規模リコール(回収・無償修理)問題を起こしたタカタが、米司法省に罰金を含む総額10億ドルの和解金を支払うことで合意しました。
米司法当局によるタカタへの捜査はこれでひとまず終わりです。
しかし、問題の収束にはほど遠いです。
現に17日には、昨年末に神奈川県内を走っていたホンダ車の運転手がタカタ製エアバッグの異常でやけどを負ったことが明らかになっています。
タカタと同社のエアバッグを搭載する自動車会社にとって最も重要なのはリコールを加速し、これ以上被害を広げないことです。
問題のエアバッグは、風船を膨らませるためのガス発生装置が異常爆発し、金属の部品片が飛び散って人を傷つける恐れがあります。
日本では死亡事故はありませんが、けが人が出たのは今回のホンダ車が2件目です。
一方でリコール対象車のうち実際に改修を終えたのは6割強にとどまります。
タカタの経営再建も今後の課題です。
世界のエアバッグ市場はタカタを含む大手4社が大半を供給しており、万一タカタが事業継続に支障をきたせば、自動車全体の生産が滞る恐れがあります。
タカタの再出発には、経営体制を刷新して安全を最優先する風土を築くとともに、リコール費用をだれがどう負担するのか透明性の高い処理をすることが不可欠です。
それなしではタカタに興味を示す投資ファンドは投資をしてくれません。
再発防止に向けて尽力してほしいです。