カラージャーナリスト/色の取扱説明書(61) パーソナルカラーの自己診断はNGって嘘と思ってた | カラーの本音、カラーの本当、色彩男組

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カラージャーナリスト/色の取扱説明書(61)

パーソナルカラー診断 自己診断は成立しない、は嘘やデマだと信じていた人?

 

カラーコンサルタント・イルドクルールは、長く「標準光パーソナルカラー診断」を掲げて、パーソナルカラーの基本を踏襲しながらカラーのコンサルに取り組んできました。

かれこれ約30年のイルドクルールのカラーの現場での取り組みになりますが、その半分以降は、標準光を掲げて一生懸命、お客様への誠実なカラーサービスを心がけてきました。

 

パーソナルカラー診断の現場から度々、

「パーソナルカラー診断の自己診断は成立しません」

と注意喚起しています。

 

しかし、それを真に受けず、パーソナルカラー診断の自己診断が通用しない、パーソナルカラー診断の自己診断は無効であるというのはデマや嘘だと思っておられる方は想像以上に多い気がします。

 

ただし、それは巧妙にネット上や雑誌等に偽りのソフトを流布する業者の責任で、自己診断を受けた方々には1%も責任や非は無いのです。

 

事実、パーソナルカラー診断の自己診断は成立しません。

 

例えば、医療の場合をイメージしていただければきっとご理解いただけるでしょう。

大事なご自身の体を、ネットや雑誌、スマホの自己診断で、治療や診療を済ます人はまずいません。

ごく当たり前に、医療の専門機関やかかりつけのお医者さんに診てもらうはずです。

 

そこに何があるかというと、

それは「専門性」。

 

パーソナルカラー診断も、診断と名前が日本でついてしまっているので、それは医療と比較しやすくなっています。

「パーソナルカラー診断」と言う名称を思いついた方と懇意にさせていただいていますが、「診断」と言う名称にあまり深い意味はなかったそうです。

ちなみに、パーソナルカラーはカタカナ英語で、本来のアメリカや英国には本来無い言葉です。

 

カラー診断も、ちゃんと専門性の高い人から、直接診てもらうことが大事。

当然、専門性のかけらもない雑誌記事やネットの自己診断は、そこに適正なパーソナルカラー診断結果が出るはずがありません。

 

少なくとも、福岡天神にお越しになる方の場合、

自己診断を受けたことがある方の場合は、90%以上、診断結果が逆転します。

 

では、

「10%はカラー診断結果が適正なのか?」

と期待する方もいらっしゃいますが、

 

その10%は、ただのまぐれなのです。

 

ここにきて、

パーソナルカラー診断の自己診断や、

激短の簡単カラー診断、

簡易カラー診断やイベントカラー診断、

基本無視のメイクを取らないパーソナルカラー診断、

等々を受けて混乱していらしゃる方のプロ診断再診が急増中です。

 

パーソナルカラー診断に、正規のものと正規でないものがあるのか?

と言う話になると、国家資格でもないので線引きは難しいのですが、

本来あるべき基本をしっかり遵守して、手順や手数を省かず、

丁寧にマンツーマンで、色が正確に見える適切な環境で、

経験の豊富なパーソナルカラーの専門家が、

お客様にメイクを落としていただいて実施するなら、

 

それは限りなく正規に近い、または正規と言って良い診断でしょう。

 

ただ、よくある簡易診断や簡単診断、時短診断、そして見た目診断。

〜それは正規とは呼べるものでもなく、またパーソナルカラー診断とは異なるもののような気がします。

 

「メイクしたままカラー診断」

本来パーソナルカラー診断の基本はメイクオフ。

理由は、メイクを取らないとご本人の個性は把握できないからです。

今時のコスメはとても優秀。

ブルベ冬の人でもイエベスプリングにメイクは可能。

メイクアップは化粧、そして名の通り、メイクアップ。

メイクオフしなければご本人様の素顔の状態とは異なるものなのです。

 


●一部業者の都合

(メイクオフ用品スキンケア用品を揃えたくない)

(診断後のメイクやスキンケアのアドバイスができないしたくない)

(メイクオフを伝えると来場者が減る)

(メイクオフにすると、時間もかかり場所も必要、回転も悪くなる)

〜等の理由があるようで、デパート等の簡易カラー診断や集客目的のイベント診断がメイクオフを実行しないのは上記の理由が主でしょう。

 

「簡易診断」

イベントや店頭等で、メイクも取らず、場合によっては指標となる色布も使わず、

手のひらの色や、腕にファンデーションのようなものを塗って短時間で答えを出す診断がそれにあたります。

カラー診断を行う環境や照明はほとんど配慮されていませんので、色は正確に判断できません。

 

「簡単診断」

色画用紙やカード等を使うケースもあります。

これも、イベントや店頭で、

メイクも取らず、短時間で答えを出す診断がそれにあたります。

カラー診断を行う環境や照明はほとんど配慮されていませんので、色は正確に判断できません。

 

「時短診断」

診断料金をディスカウントするために、手順を省いた診断。

これも、イベントや店頭で、短時間で行うためメイクをまず取ることはありません。

カラー診断を行う環境や照明はほとんど配慮されていませんので、色は正確に判断できません。

このケースでは、経験の浅いカラーリストの卵のような方が担当しますが、カラー診断はかなりの経験値がないと短時間ではジャッジできません。

 

「見た目診断」

コスメやアパレルショップ、ヘアーサロンやエステサロン等で、

販売員や美容部員、エステシャン等が雑談や販売の一環の中で口頭で言い渡すカラー診断。

特にパーソナルカラーの専門知識もなく、また教育を受けいている担当者の見解でもないので注意が必要です。

多くは、メイクしたままのお客様の見た目を判断材料に、主観的に言うケースが多く、

言われた側は「絶対スプリングが似合う」等の面前で言われた言葉が記憶に残りますが、

それはパーソナルカラー診断とは別物ですので、根拠も理由もないものであると気がつくまで時間がかかり、その言葉で購入等の消費行動があればかなりデメリットでリスキーです。

 

「パーソナルカラー自己診断」

雑誌の特集記事、インターネットのWEBサイト等にある、自分で「Yes」「No」形式で答えを出すカラー診断のようなものです。

被験者は、多くの人のデータベースや基準となる指票が無いので、ご自身が右か左か中間かがわかりません。

例えば、髪質も、太いのか細いのかさえもわかりかねます。

参考にもならず、逆に誤った情報や先入観を得てしまうため、デメリットしかありません。

 

「インターネット診断/画像診断」

新型インフエンザ流行を機に一気に流布した、ある意味その場しのぎ診断です。

対面で行わず、施設や賃料も経費もかからない、しかも商圏は広く全国に取れるので、一部の業者の間で一気に広がりました。

ネットを介して動画や静止画のやりとりでパーソナルカラー診断を行うものです。

スマホやPC画面の向こうのカラーリストがプロなのかそうでないのかは不問です、

おそらく、今後はAi診断にシフトしていく気がします。

 

ただ、その多くがインターネットの特質や、情報機器や撮影機器(パソコンやスマホ、カメラや画像記録/表示のシステム)、加えて照明や光学、カラーマネジメントの知識や概念が無いため、とんでもない内容となっていて大いに注意が必要です。

現状、管理された機器を使っても、ネット上で離れた場所で同じ色を共有することさえかなり困難です。

 

それを、管理できていない撮影場所と環境や照明、管理できていない機器、まちまちなブラウザや使用ソフト、ほか、全く不向きな設備で色彩の判定を行おうと言うのは、業者の無謀です。

 

長くなりましたが、

そのような理由で、パーソナルカラーの専門としては責任を持って、

自己診断は行うべきではないと明言します。

それは我田引水的な狭い考えの下ではなく、

正直に、皆様のことを考えてのことです。