「ユタカ」 | かずとのたびのブログ いい出会いと記憶 田舎爺の人生

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爺の故郷は山の裾 トンボも蝶チョも飛んでいた
過ぎ来し方を振り返り 明るく生きて参ります
孫の成長楽しみに いつか旅立つその日まで

小学2年か3年の時、国語で本を読まされた。

昔話?に入るような話だった。

 

村にやって来た新しい人が、村の常識を破って、新たな作物に?取り組んだ。

最初はもう一つだったが、諦めずに取り組んでいくと成功し、

お陰で、村は「豊か」になった、という話だった。

 

「豊か」というところは、2年生か3年生にはまだ早かったのか、

「ゆたか」か「ユタカ」と書いてあった。

 

私は「ゆたか(ユタカ)」という言葉を知らなかったので、

その平仮名かカタカナの字ずらから、脳内自動変換に従い、

それから村は「ユカタ(浴衣)」になりました、と読んだ。

学級内は大笑いとなった。

 

間違ったのだなと思い、私はもう一度、ゆっくりと、ユ・タ・カになりましたと読み直した。

 

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それ以来、私は「なぜ、あの時読み間違ったのだろう」と思っていた。

 

小学5年か6年になると、その理由が分かって来た。

 

私は、生活に苦労する毎日から「貧乏」という言葉と、

その反対語?である「金持ち」という言葉は知っていたが、

裕福とか豊かとかいう言葉は知らなかったからだ。

 

単に、語彙の不足だったのかも知れないが・・・

(なぜ、語彙が不足するのか、という問題は、まだ分からないでいた)

 

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最近また、「豊か」について考える。

 

我が国は、この30年ほど、経済成長がストップしているだけでなく、

30年前より貧乏になっているらしい。

 

ストップなら停止であって、低下ではないのではないかと思ったりするのだが、

でも、一般的には、貧乏になった、と言われているようだ。

 

それは外国と比較するからではないかと思ってしまう。

 

では、外国のどこのレベルの人達と比較するのだろうか。

外国は、概ね、支配者と奴隷の国であるらしい。

 

外国の貧しい人達のことは考えもせず、裕福な方達と自分を比較するのは、

正しくないのではないかと思う。

 

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「豊か」であるとは、何だろうか。

民の竈は賑わいにけり、ではないが、

自分だけが豊かになろうとする「今だけ金だけ自分だけ」では、

「豊か」なものは手に入らないのではないだろうか。

 

「日本は貧しい、だが高貴だ」と言ったフランスの詩人の言葉が思い出される。