イワシの竹輪 | かずとのたびのブログ いい出会いと記憶 田舎爺の人生

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「画像はほとんど拝借です」
爺の故郷は山の裾 トンボも蝶チョも飛んでいた
過ぎ来し方を振り返り 明るく生きて参ります
孫の成長楽しみに いつか旅立つその日まで

浦田川の中ほどの、浦田から高台の炭鉱事務所に登っていく橋のすぐ上流側に、

共同の炊事場があった。

 

一坪の広さに、セメントが打ってあり、水道が引いてあった。

その水道は、炭鉱持ちの無料の共同の水道だった。

 

だから近くの人は自分の家の水道はあまり使わず、

その共同水道で、洗濯したり、炊事の下準備をしたりしていた。

 

そこでの思い出が「イワシの竹輪」である。

シンジが保育園だったか、小学1年だったか、記憶に無い。

 

ただ、母がいたので、その日はきっと木曜日だった。

母の仕事、厳木町営失業対策事業は、月火水と行って木は休み、そして金土だったのだ。

 

母の近くに行くと、近所の小父さんが七輪で竹輪を焼いていた。

シンジはじっと、それを見ていた。

 

数本の竹輪が焼き上がった時、小父さんがシンジに一本くれた。

母がすみませんと頭を下げてお礼を言っていた。

 

シンジは、お礼を言うのも忘れて、竹輪にかぶりついた。

色が黒くて、アジは覚えていない。

 

色から、きっとイワシのスリミで作った竹輪だろうと、

思っているのだった。