PPOSとアンタゴニストのどちらが好ましいかこの1年で多数の論文が掲載されています。概ねどちらも変わらないという内容が多数を占めています。今月号の論文では卵巣機能ば良い方に対してこの二つのプロトコールを用いて胚を作り凍結胚移植をすると成績が変わるかどうかを調べています。
2020年6月から2021年10月までに合計784人の女性に対して、1:1の比率でPPOS(n = 392)とアンタゴニスト(n = 392)にランダムに割り当て調べられました。
両グループは採卵数、受精卵子数、分割胚、3日目の良質な胚、胚盤胞、凍結胚盤胞の数において同等でした。
ITT分析(37.5% [147/392] vs. 32.7% [128/392]; 相対リスク1.148 [95%信頼区間0.949–1.390])およびPP分析(44.5% [147/330] vs. 39.1% [128/327]; 相対リスク1.138 [95%信頼区間0.950–1.364])に基づく最初の凍結胚移植の出産率に統計的に有意な差は認められませんでした。
また臨床妊娠、流産、多胎妊娠、異所性妊娠、累積出産率も両グループで同等でした。
結論
卵巣反応が高いと予想される女性において、PPOSとアンタゴニストのどちらを用いても、最初の凍結胚移植の出生率に有意な差は認められませんでした。
つまりどちらのプロトコールを使用しても、同じような結果が得られるため、この二つであればどちらでも良いと言えます。
Fertil Steril® Vol. 121, No. 6, June 2024
A randomized controlled trial to compare the live birth rate of the first frozen embryo transfer following the progestin-primed ovarian stimulation protocol vs. the antagonist protocol
in women with an anticipated high ovarian response