射精の頻度が減ると前立腺がんになりやすい | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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射精の頻度が増えると前立腺がんが減るという論文がありましたので紹介します。2023年にスペインから出された論文です。

前立腺がんはそんなに多くないと思われる方もいるかと思いますが男性では一番多く発症するがんです。

以下日本対がん協会のHPからですが、男性の部位別の罹患数をみると、男性は前立腺がんが9万4,748人(16.7%)と最も多く、次いで大腸がん8万7,872人(15.5%)、胃がん8万5,325人(15.1%)、肺がん8万4,325人(14.9%)、肝がん2万5,339人(4.5%)の順となりました。

 

今回の論文では射精の頻度を月に4回未満、4回、4回よりも多い3群に分けて前立腺がんの罹患リスクを検討しています。結果は以下の通りです。

月に4回しか射精をしないとリスクが1.64倍となります。 aOR=1.64 (95% CI 1.03–2.61) 

また4回未満だとリスクが2.38倍となります。 aOR=2.38 (95% CI 1.57–3.60)

この論文から言えること

射精をすればするほど前立腺がんは減らすことがわかります。これは男性として一番多い前立腺がんを予防するために知っておかないといけないかなり大切なことと言えます。

Ejaculation Frequency and Prostate Cancer: CAPLIFE Study

World J Mens Health 2023 Jul 41(3): 724-733