不妊期間が長いと寿命が短くなる 最新研究から | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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不妊期間が長いとその後の寿命が短くなるというショッキングな論文が近い内に掲載されるため報告します。デンマークからの報告です。

今までもこのようなことが報告されてきました。不妊症と各種疾患は関連付けられているものもあります。

論文の結果として不妊期間が60ヶ月の場合と12ヶ月未満を比較すると母親3.5歳 (95% CI: 2.6–4.3)、父親2.7歳 (95% CI: 1.8–3.7)それぞれ寿命が短くなりました。

不妊期間が12ヶ月以上と12ヶ月未満を比較すると死亡率は父親で (HR: 1.21, 95% CI: 1.09–1.34) 、母親で (HR: 1.29, 95% CI: 1.12–1.49) となり有意に差が出ました。

この論文から言えること

不妊期間が長い場合その後の寿命が短くなることはかなり衝撃的な結果です。生殖能力が健康や生存に関わることが示されています。

 

Time to pregnancy and life expectancy: a cohort study of 18 796 pregnant couples

Received: August 9, 2023. Revised: November 9, 2023. Editorial decision: November 30, 2023.