今月号のFertility and SterilityにAIが排卵日を予測可能かを調べている論文がありました。
治療歴とホルモン値からアルゴリズムを作成して排卵日がどこになるか大規模なデータから検討しています。論文にも書かれていますがこの様なアプローチは初めてとのことです。
様々なホルモン値を組み合わせて学習させ最適な排卵日を算出させようと試みていますが、今後かなり使えそうな印象を受けました。
この論文を読んでいて興味深いと感じたのは我々生殖医療専門医でも自然周期で排卵を特定させ移植を決める際に頭を悩ますことが多くあります。
正確な排卵日をつかむため数回の来院をお願いすることもあります。
今後AIが正確な排卵日を診断してくれるのであれば医師も患者も楽になると思うしその結果として得られるものはかなり大きいと考えられます。
今胚培養や胚の選別や(精子の選別も)など生殖医療の多くの部分にAIが入り込んでおり今後益々それが増えると思います。
今回のIVF学会でも精子の選別をAIがすると言う発表があり時間短縮になると述べていました。
膨大なAIのデータからこの胚が一番妊娠するとなるとそれはどんなに経験がある培養士よりも上になります。
人の力には限界がありそしてやはりAIが得意なことはAIに任せた方が良く、人はそれらを使いこなすことが必要なのだと思います。
Fertility and Sterility® Vol. 120, No. 5, November 2023
Artificial intelligence in the service of intrauterine insemination and timed intercourse in spontaneous cycles