AMHが高い症例は早産が多いとのデータがあるとのことでそれを調べている論文が今月号のFertility and Sterilityにありましたので紹介します。
私自身AMHは卵巣機能を示すマーカーとしか認識しておらず、早産との関連性があるなどこの様なことは全く知らなかったので読んでいて興味深い内容でした。
今回の検討の結果としてはその様な相関関係は認められずAMHが高くても早産しやすいことはなさそうとしています。
以下の表でも明らかですがTerm(通常の出産)とPreterm(早産)で値に有意差はなしです。
3.9 vs. 4.2 ng/mL
特にPCOSの方が妊娠するとAMHが高く早産が多い傾向があるから調べ始めた様ですが、PCOSの方に対して調べてみてもその様な傾向は特にみられないとしています。9.6 vs. 10.0 ng/mL
論文を読んでいるとこの様な何だこれはと言う内容があり刺激を受けます。
世界には色々なことを考える方がいて、この様な誰もが見向きもしないことにこそ正解が隠されていることは良くあるとハワイにいた際に柳町先生も良く言っていました。
誰もがやらないことをやりなさいと何回も何回も言われました。
10、20年後にはそれが常識になるからと。
40年前に柳町先生が顕微授精の研究を始めた際も同様のことを何回も言われたそうです。精子は自然に卵子に入るのになんでわざわざ針で刺す必要があるのか?クレイジーな研究だねと。
Fertility and Sterility® Vol. 120, No. 5, November 2023
Elevated antim€ullerian hormone levels are not associated with preterm delivery after in vitro
fertilization or ovulation induction