顕微授精が良いのか?それとも自然が良いのか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

特に精子の所見はそこまでは悪くないのですが医師からお話を聞いたら顕微授精をしてとにかく良い精子を選ぶ方が子供の健康には良いと言われましたが自然にふりかけをするのとどちらが良いのでしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

まずエビデンスとしては男性因子がある場合には顕微授精を選ぶ方が良いですが、精子の所見が悪くない場合にはふりかけ(体外受精)をすることが成功率が高くなります。これは多数の論文で示されています。

 

 

精子の所見が悪くないにも関わらず顕微授精を選ぶことはお金の無駄でしかないと論じている論文もあります。

しかし大切なのはお金でもなく、ご自身の不安でもなく、もちろんクリニックのエゴでもなく

何より大切なのは子供の将来です。生殖医療はただの治療とは異なり次世代に遺伝子を繋ぐ治療です。

不必要な技術はなるべく使わない、このスタンスが極めて大切です。

技術はその技術を使わないと授かれない方に対してのみ使うべきです。

まだ数十年しか歴史がない治療法です。全員に顕微授精など絶対にしてはいけない事です。

 

顕微授精はとても大切な技術でありこの技術で多くの方が子を持つことができており生殖医療において最も大切で革新的な技術です。適応をしっかりと守り正しい生殖医療を行うことがとても大切です。