子宮内膜症のオペをしたことがある場合出産は帝王切開避けるほうが内膜症の再発が防げる | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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子宮内膜症のオペをしたことがある方が妊娠して出産を自然にするか、または帝王切開にするかで内膜症の再発率が異なるという論文です。結論としては帝王切開をすると自然分娩より子宮内膜症を再発しやすいという内容の論文です。

したのグラフがわかりやすいのですが黒線(自然分娩)と点線(帝王切開)では再発率が異なることがわかります。数値としてはハザード比が2.25 (95% confidence interval, 1.27–3.96)となり2倍異なりました。

この論文から言えること

子宮内膜症のオペをしたことがある方に帝王切開をすると自然分娩より子宮内膜症を再発しやすいという内容の論文です。帝王切開で内膜症の組織が腹腔内に拡散するという可能性を指摘しています。内膜症のオペをした方は可能なら経膣分娩をトライする方が内膜症の発生という点では好ましいと言えます。ただ帝王切開にするかどうかは分娩の際の適応によるため、内膜症の再発を優先するのでは無く、一番大切なのは母子ともに安全に出産することです。

Fertility and Sterility® Vol. 118, No. 6, December 2022

Effect of the mode of delivery on the risk of endometriosis recurrence: a retrospective cohort study