卵管内人工授精のポイント | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

卵管内の人工授精を行う際のポイントですが

⑴通水検査を行うこと

⑵両側から排卵させること

⑶レトロゾールを使うこと

これらが挙げられます。

 

順番に説明します。

 

⑴通水検査

卵管を使うため卵管の通りを少しでもよくすることが好ましいためその周期に生理終了後に卵管通水検査を行います。これにより卵管の通りが良くなります。

そんな事かと思うかもしませんがこれがかなり有効です。なお可能なら腹腔鏡検査が本来は好ましいです。ただ負担を考え卵管通水検査で簡易的に行うことも可能です。

 

⑵両側から排卵

卵管に卵子が入らないことには妊娠は不可能です。一つの卵子を勝負するのはかなりハードルが上がります。理想は2個、3個でも良いかと思います。双子のリスクは多少ありますが今まで妊娠しておらずいきなり双子になる可能性は極めて低いものです。両方から卵子が入る方が絶対に好ましいです。

 

⑶レトロゾールを使う

レトロゾールは排卵誘発剤のため複数の卵子が育てられます。特に1日2回内服として5日間用います。必要ならHMGの注射も用います。そしてレトロゾールの1番のメリットは内膜が薄くならずむしろ厚くなることです。誘発剤として有名なクロミッドは排卵させる力は強いですが内膜がもれなく薄くなり妊娠率はそれほど高くありません。

 

 

体外受精は精神的にも体力的にも辛いという場合やステップダウンを検討している場合、腹腔鏡手術を受けその後上記の方法での卵管内の人工授精はお勧めの方法です。