レトロゾールで人工授精した方が成績は良くなる | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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人工授精は自然周期、クロミッド周期、レトロゾール周期、注射での刺激周期があります。
どれが一番妊娠するのか気になるところです。
原因不明で人工授精を行う場合にはレトロゾールを用いると成績が良くなるという論文です。
 
3回人工授精をした場合の累積妊娠率はレトロゾールが一番高い事がわかります。

これも同様で3回人工授精をした場合の累積生児出産率もレトロゾールが一番高い事がわかります。

この結果から言えることとして
人工授精を行う場合には自然ではなくある程度刺激をして複数の卵子を排卵させる方が好ましいですがクロミッドは子宮内膜が薄くなり妊娠はしにくくなります。
一方レトロゾールは子宮内膜が厚くなり複数の排卵が可能なためこの結果のように妊娠率や出産率が高くなります。
 
Fertility and Sterility® Vol. 109, No. 5, May 2018