精子のDNA断片化を調べることにより胚の発育や流産と相関していることがわかりました。やはり男性が努力をしなければいけないというとても興味深い論文のため以下に紹介します。
今までは流産することは卵子の質や母体の問題と考えられていましたが、この論文では精子の質を調べてそれだけではないことをこの論文は証明しています。
この下の表は今回調べてみた不妊の原因です。卵巣、卵管、内膜症などを対象としています。
精子DNA断片化が30%未満を正常、30%以上を異常として分けています。
それぞれにおいて背景を調べています。30%以上の場合男性の年齢が上がることがわかります。
精子の断片化が30%未満の方が(精子が良い方)と断片化が30%以上(精子が悪い方)で以下の成績を調べています。いずれも有意差があります。
胚盤胞到達率 56.2% vs 39%
良好胚盤胞率 30.5% vs 11.3%
着床率 46% vs 33.2%
流産率 17.8% vs 39.9%
この結果から言えることとして
良好な胚ができない、妊娠しない、流産を繰り返すケースにおいては精子DNAの断片化を調べることで不妊症の原因がわかる可能性があります。そして良い精子を作ることでこれらの問題が改善される事が言えるのだと思います。
やはり男性が可能な限り努力する事が必要であると言えます。
Fertility asterility 2019 Sep;112(3):483-490.
Sperm DNA fragmentation is correlated with poor embryo development, lower implantation rate, and higher miscarriage rate in reproductive cycles of non–male factor infertility