LHが低い場合の誘発方法 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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LHが低い場合の誘発方法について


生理中のホルモン検査でLHが低い場合には排卵誘発の方法が通常とは異なります。


LHが低いに関してですが、LHが1以下などのように極端に低い場合にはHMGを使う必要があります。


つまり通常のFSH製剤には基本的にはLHが入っていないため、LHが含まれているHMG製剤を最初から使うことが大切であると考えています。

もしFSH製剤のみであると卵胞の発育が悪くE2も上がりにくくなります。


またもう一つ注意点として、LHが低いためLHサージが起きにくくなっているため、アンタゴニストを使わなくてもLHサージがかかりにくいという点があります。


通常卵胞径が15mmを超えてきて、E2が1000くらいになるとLHが上昇してきますが、卵胞径が18mmくらいでE2が2000を超えてもLHは低いままとなります。


このような場合に通常通りアンタゴニスをと使うと余計なブレーキとなり、卵胞発育にもデメリットであり、また金額面でも負担が増えてきますので、できれば避けるべきであると考えています。


アンタゴニストに関しては以下の記事も参考にしてください。

アンタゴニスト法

アンタゴニスト法の問題点

アンタゴニスト開始とともに注射を変えるべきか