MotoGP/第6コーナーのアクシデント (ペドロサ・ロレンソ・ドビツィオーゾ) | 坂田和人 オフィシャルブログ Powered by Ameba

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ダニ・ペドロサのコメント <motogp.com>

 

ペドロサ「自分の走行ラインを走っていた」ロレンソと激突したシーンを振り返り、ライバルたちを引き離すことができなかった理由を説明。

 

<ハイサイドで路面に身体を叩き付けられコース上から退避したペドロサ/motogp.com>

 

レプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、第4戦スペインGPの決勝レースで、1列目2番グリッドから4番手走行中の18ラップ目に、第6コーナーのイン側から進入した際にホルヘ・ロレンソと接触。週末2度目、今季3度目の転倒を喫して、今季2度目の転倒リタイアを喫した。

「かろうじて立ち上がることができ、トラックから出たけど、タイヤバリアーのところで休まなければいけなかった。頭と腰に強烈な激突を受けたけど、ヘルメットが守ってくれたのは幸運だった。手にダメージを受けなかったのも幸運だった。」

「全てはレースの結果。僕はグッドなペースで走れていたけど、何らかの理由で加速が良くなかったから、ストレートでドゥカティ勢に抜かれてしまった。スリップストリームで抜き返すことができず、バイクを止めることも苦労していた。ペースだけが良かったけど、彼らにブロックされていたから、レース終盤に向けて、タイヤをマネージメントするか、ミスが起きるのを待つしかなかった。」

「そこで、2台がコーナーでは大きくはらんだところを見てそのミスを利用した。グッドな走行ラインで突っ込んだ。コーナーから立ち上がるところで、ホルヘが戻って来て、僕たちはぶつかった。」

「僕の身体はバイクの右側に位置していたから、彼が戻って来たのが見えなかった。不運にも3人が転んでしまった。グッドなレースをしていた2人には悪いと思う。タイトルのオプションが難しくなってしまったドビには申し訳ないと思う。」

「最もネガティブなことは、このような状況に入り込んでしまうプロファイルの持ち主でない3人に起こってしまったこと。」

「スチュワートパネルの判断は、間違いだと考える。同意しない。なぜ、レースインシデントだと決断した理由を聞きに行った。話し合い、レースインシデントであることはハッキリしたけど、僕は自分の走行ラインを走っていた。2人は走行ラインから外れていて、僕はイン側を通過していた。走行ラインを外したら、確認しなければいけない。僕には優先権があった。

「ホルヘに制裁を与えるつもりはない。その反対で、このようなことは避けなければいけないから、説明したかった。レースインシデントだと決めてしまうと、他のライダーたちが、ノーマルなことだと思ってしまうかもしれない。単純なインシデントではない」と、ロレンソとの激突を振り返り、レースインシデントと判断されたことに意義を唱えた。<motogp.com>

 

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以下、個人的な見解です。

 

ペドロサは、「タイトルのオプションが難しくなってしまったドビには申し訳ないと思う。」と謝罪を伝えている。

文化、国民性の違いか、自分が悪くても謝罪をしないライダーが多い中、ペドロサのコメントは、いつもスマートに思えます。

 

ペドロサのコメントを太文字にした箇所について。

誰でも何らかの理由により、レコードライン (走行ライン) を外してしまうことがある。しかし、その後にレコードラインへ戻る際は、レコードライン上を走行しているライダーに対して、十分に気を付けてレコードラインへ戻る必要があるはずです。

 

■ MotoGP 決勝

    第6コーナーのアクシデント (バックストレートエンドのヘアピンコーナー) について。

 あくまで個人的な見解です。

 

ドビツィオーゾは、第6コーナー進入のブレーキングでロレンソをパスしたが、ドビツィオーゾがクリッピングポイントまでにしっかりとバイクを止めることが出来ず、2台がコーナー進入で膨らんでしまう。

 

ドビツィオーゾは完璧にレコードラインを外して外側にバイクが向かっている状態。(コース幅の半分ほどの場所に位置していた)

 

<第6コーナーで、2台が一番膨らんだ状態の映像>

 

ロレンソもレコードラインを外している。かなり厳しいが、見方によってはすぐに戻って来れる距離間とも言えなくもない。

下の画像では、ロレンソのバイクの向きがドビツィオーゾと違う。おそらく、ドビツィオーゾに抜かれた瞬間に、立ち上がり重視のラインを取ることに頭を切り替えていたのでしょう。

 

<その後、バイクの向きはイン側へ移っている映像>

 

ロレンソの方がドビツィオーゾよりバイクの向き替えが早かった。

これにより、ロレンソはコーナー進入でドビツィオーゾよりスピードが落とせていることが言えるでしょう。

 

<かなり違う角度で2台が猛接近>

 

ペドロサとロレンソは、かなり違う角度で2台が猛接近。

この時点ではペドロサの存在に気付いていない様子です。下記の映像の直後、ロレンソは上体を起こしています。

もしかしたら、ペドロサもロレンソの動きを予見して注意する必要があったかもしれない。

でも、ペドロサはレコードラインを走っていて優先権があった訳ですし…。

しかし、考え方を変えれば、どちらに優先権があるとかではなく、お互いが予見していれば転倒は免れたかもしれませんね。

 

<この直後に2台は激突>

 

しっかりとクリッピングポイントを通ったペドロサは、立ち上がり加速を伸ばすためにアウト側へ膨らもうとしているところ、アウト側からイン側に寄ってきたロレンソのバイクが加速状態で激突。

 

 

<角度が付いた状態で2台が激突>

 

この直後、ペドロサは大きくハイサイドを起こして、ライダーはバイクから高く投げ出されてしまう。外側のロレンソは、激突の反動で大きく進路を変えて、ロレンソの外側にいたドビツィオーゾのフロントタイヤ部分に接触。ロレンソ、ドビツィオーゾの2台も転倒を喫してしまう。

 

<激突の衝撃で2台が弾き飛ぶ>

 

何度観ても、結論付けるのはとても難しい状況。。。

3人にとって、本当に不運としか言いようがないアクシデントに思えます…。

 

ただし、ペドロサの言うように「レースインシデントだと決めてしまうと、他のライダーたちが、ノーマルなことだと思ってしまうかもしれない。単純なインシデントではない」と言うのは、今後のレースを考えるととても重みのある発言だと思います。

 

ドビツィオーゾは、何の過失もないのに「もらってしまう転倒」が非常に多いですね…。

「もらってしまう転倒」を何度も見ているので、とても可哀想なくらいです。

 

不幸中の幸いは、3人とも大事に至らなかったことです。

 

この3人が表彰台圏内でフィニッシュしていたら、MotoGPのランキング争いもかなり接戦になっていたでしょうね。

 

最近、MotoGPでレースインシデントが多く見られるように感じるが、実際には過去の125クラスや現在のMoto3クラスでは多く見られるレースインシデントです。

要するに現在のMotoGPクラスは、あるメーカーだけがマシン的に大きなアドバンテージを持つことがなくなり、軽量級クラス並みに接近戦でのバトルが行なわれることが多くなったと言えるのではないでしょうか。