MotoGP/2018年からエアバックの着用義務 | 坂田和人 オフィシャルブログ Powered by Ameba

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第6戦 イタリアGPムジェロで、ドゥカティのピッロが、フリー走行にて第1コーナーのブレーキングで大転倒を喫しました。340km越えからのフルブレーキングでしたが、幸いにも大事には至りませんでした。


第4戦スペインGP、第5戦フランスGPと各クラスで多重転倒が多くありました。また第7戦 カタルーニャGPでもMoto3クラスでは多重転倒がありましたが、いずれのケースも大事には至っていません。

それの陰には「エアバックの存在」が大きかったことでしょう。

 

「エアバックについて」、日テレジータスのMotoGP放送中にお話ししようと思っていましたが、レース中継となるとなかなか詳しくお話し出来る機会がありませんでした…。

 

そこで、エアバックについての詳細を下記に記載します。

「エアバックシステム」は、素晴らしい技術革新ですね。

 

 

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MotoGPでは、2018年からエアバックの着用義務


昨年10月に発表されたエアバックシステムの技術規則を2018年シーズンから施行。
 

チャンピオンシップは1月11日、18年シーズンから全クラスに参戦するライダーたちが着用するレーススーツにエアバックシステムの装備を義務 付けることを発表。レギュラーライダーたちは、全セッションでの着用が義務となるが、ワイルドカードライダーは着用が免除され、代役参戦のライダーに対しては、最初の2戦のみ免除されるが、3戦目から義務となる。

 

エアバックシステムは、最低でも肩と鎖骨を保護。背面に関しては、全面、または中心部の保護をオプションとするが、レーススーツを製造するメーカーが背面の保護を提供する場合には、全面を保護しなければいけない。

 

各エアバックシステムは、規則の遵守を確認するために、一連の試験に合格する必要があり、ライダーがさらに危険とならないように配慮するため、バッテリーから電子機器、膨張時間まで企画に適合しなければいけない。エアバックが動作する場合、ライダーを危険にもたらすことなく、バイクのコント ロールに影響を及ぼしてはいけない。さらに、エアバックシステムは、バイクに追加する部品を必要とせず、ライダーがバイクに拘束されないようにしなければいけない。

motogp.comより>

 

 

MotoGPで規制されるエアバックシステムは、一般的に日本のサーキットで見かける、レザースーツの上に着る (背おる) エアバックとは、全く違ったエアバックシステムです。

このエアバックの進化は、ニ輪レース業界にとって非常に大きな革命と言っても良いでしょう。

 

ネット配信の「Racing Heroes」に Alpinestaes の「TECH Air」について、詳しいシステム解説が掲載されています。

とても分かり易く解説されてますので、その素晴らしいシステムがご理解出来ると思います。

Racing Heroes HP <http://www.racingheroes.jp/2016/09/8309.html

 

 

<Alpinestaes 「TECH Air」/motogp.com>

 

 

Alpinestarsのレーシングスーツは、内蔵されたセンサーユニットが「1000分の2秒毎に」情報を更新、1000分の8~1000分の10秒で判断してエアバッグを機能させているそうです。早く開きすぎてもダメ、遅くてもダメ(身体に重大なダメージを負ってしまう)。衝突する直前に開かせる。
人間のまばたきの速さが1000分の30秒と言われていますので、アルパインスターズの場合、瞬きするよりも速くエアバッグが開くのです。

 

さらに驚いたのは、開いたエアバッグは25秒後には元に戻り、マシンが動けば再スタートしてレースに復帰できるそうです。四輪車のエアバッグみたいに一度破裂したら終わり、ではなく、コントロールユニットをリセット、ガスボンベを交換すれば再利用できるそうです。<Racing Heroes HPより抜粋>

 

 

MotoGPの影響を受けて、全日本でも義務化にする動きがあるようです。一部のツナギメーカーは、MotoGPと同じ機能を取り入れています。

MotoGPのエアバックシステムはとても素晴らしい機能ですが、MotoGPと同等の機能を持つエアバックを全日本で義務化にするには、高コストやそれをケアするサポート面などで多くの問題があると思います。性能が下回るエアバックなら、全日本でも義務化は可能でしょうけどね。

 

MotoGPライダーのほとんど (全員でしょうね) は、レザースーツのサポートを受けています。

それとは異なる全日本ライダーの全てが、MotoGPと同じシステムのエアバックを装着することは、現実的には難しいかもしれませんね…。