中上貴晶の初優勝/日テレでの裏話 | 坂田和人 オフィシャルブログ Powered by Ameba

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第8戦 オランダGPで中上貴晶選手が初優勝を挙げたことは、モータースポーツ界にとって久しぶりのビックニュースでした。

MotoGPファンにとっても、待ちに待った初優勝でしたね。

 

タカ、念願の初優勝おめでとう!

これで、次へのための最低ラインがクリア出来たのかな。

 

 

<中上選手のウィニングラン/motogp.comより>

 

 

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今回のブログは日テレでの裏話的な話です。

手前みそで恐縮ですが…

 

 

第8戦 オランダGP Moto3クラスの放送が終わり、Moto2クラスの青木拓磨と青木源太アナウンサーが放送ブースに入ってきて私達と入れ替わる際、青木源太アナウンサーが「今日、中上選手は勝てますかね」と聞いたので、私は「勝てますね」と即答しました。

 

ちなみに過去にタカの優勝を聞かれても、ネガな部分を言わず、これだけ即決して答えたことは一度もなかったです。(タカのファンの方、すみません…。)

 

 

<2016 第8戦 オランダGP 中上選手の初優勝/motogp.comより>

 

 

そう答えたのには、いくつか理由があります。

 

1) タカが成績を残せない時には、2日目のFP3と予選でのタイムの伸び方が、他の上位陣に比べてタイムの伸びしろが少ないのです。

オランダGPではそういったことはなく、むしろレースウィークを通して安定した走りがあり、決勝前のウォームアップ走行において、好タイムでトップタイムを出していたのです。

正確には、ここ数戦そういった走りが出来ていたのです。

(予選は6番手でしたが、タイムを出すタイミングと路面コンディションが悪かったのです)

 

2) 第6戦 イタリアGPでは、赤旗後のクイックスタートが行えず、更に不運にも28番手の最後尾スタートからRace2が行われた。そこから僅か10周のレースで、タカはトップグループと変わらないラップタイムで追い上げて、9位でフィニッシュしていた。

 

3) 第7戦 カタルーニャGPでは、レース序盤は大きく出遅れたものの、レース中盤からその遅れを取り戻す走りをして3位表彰台を獲得して、とても良い「流れ」でオランダGPを迎えていること。

 

4) そこで思い出したのが、2013年に4連続で2位表彰台を獲得していた頃のレース。

日テレの取材で第13戦サンマリノGPへ行き、タカに話を聞いた際に「レース序盤から速いペースで走れるようになった」と言ってました。

周りのMoto2ライダーにインタビューをしても「タカのレース序盤のペースが速い」とE.ラバットとP.エスパルガロの二人が口を揃えて言ってました。

ただ当時の弱点として、レース後半での粘り強さが足りなかったのです。

 

その時のサンマリノGPで、10周目にタカは2番手を走るエスパルガロを2.234秒引き離し、レース後半も数周に渡り1.9秒のアドバンテージを維持していました。

 

丁度その頃、コースサイドで一緒レースを見ていた福田充徳さん (チュートリアル) が「タカは勝てますかね?」と聞いてきたので、私は「3秒以上離さないと勝てませんね」と答えました。

 

レース終盤にさしかかった20周目からタカのアドバンテージが毎周削られていきました。

そして、24周目にピタリと背後 (0.027秒差) に迫られて、最終ラップの25周目にはエスパルガロがタカをパスしていきました。

 

結果は、エスパルガロが0.526秒差をつけて逆転優勝。タカはで4連続の2位となったのです。

 

ちなみにエスパルガロは、この年の2013 Moto2クラスでチャンピオン。

2014 Moto2クラスでラバトがチャンピオンに輝きました。

 

 

<2013 サンマリノGP/ミサノサーキット>

 

 

第7戦カタルーニャGPのレース後に思ったことは、

「2014年のレース序盤での速さ」+「2016年 イタリアGPの瞬発力」+「2016 カタルーニャGPでのレース中盤以降の速さ」、この3つの走りが好条件で組み合わされば、「タカが優勝することは可能なはず」と思っていました。

 

そして、今回のオランダGPが、好条件で組合わさったと思ったので、「勝てますね」と言う答えに繋がったのです。

 

 

<2014 MotoGP座談会/日テレG+>

 

 

ちなみに、青木源太アナウンサーは、レースのかなり早い段階から中上推しをしていましたが、皆さんはお気付きでしたか?

レース後に話をしたのですが、青木源太アナウンサーは私の発言を信じていたそうですよ。

 

今から年末の日テレG+/MotoGP座談会が楽しみです。