旧街道めぐり 有馬街道(後編) | Kのランチ in北の大地【東北よござりす編】

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さて前編では小浜宿(宝塚)まで来ましたが、有馬街道の終点は有馬温泉なので、まだ探索は続きます。
しかもここからは山岳ステージになるので、街道の険しさも一段と上がります。


皇太神社から北上すると国府橋付近で小浜宿は終わり。
宿場の境は北門跡として残されています。


国府橋を渡るとすぐに追分があったようで、道標が残されています。

1車線ほどの細い道のまま、緩やかな上り勾配で街道は進んでいきますが、宿場が近いせいか、古い邸宅が残されていたりして、街道の雰囲気が残っています。


阪急宝塚線の踏切を越えると「こうじんさん」で有名な清荒神清澄寺の参道とぶつかります。
家内安全、商売繁盛のご利益があると言われるお寺で、古くから多くの人々が参拝に来ていました。
主要街道である有馬街道が近くを通っているのなら、このあたりも多くの人々が行き交ったことでしょう。


清荒神を過ぎると、小浜宿にあった皇太神社と全く同名の皇太神社があります。
小浜宿の方は小浜皇太神社と名称を使い分けられているようですが、どちらも伊勢神宮を由緒としています。
関西は伊勢信仰もあり、伊勢街道も作られるくらいですから、関連の神社があっても不思議ではないですね。
ちなみに小浜の方が創建は古いです。


皇太神社の前には現世に建てられた有馬街道の標柱がありました。
細い道ですが、やはり街道筋であることを示しています。

皇太神社を過ぎると、これまで上りだった道が下りに変わり、下りきったところに武庫川が流れていました。
国道176号線との交差点ですが、街道は国道を越え、生瀬橋で武庫川を渡ると生瀬の坂を上ります。

現道では真っすぐ坂を上がる道路がついていますが、旧街道は少し旧国道沿いを進むと現国道の立体交差を回りこむように坂を上がっていきます。
車ではこのルートは通れませんが、歩行者や自転車なら旧街道に忠実に進めます。

坂を上がると生瀬の集落に入りますが、ここもなんとなく昔の雰囲気が漂う佇まい。


集落を抜けるとJR生瀬駅があります。
ここから本格的な山岳ステージが始まります。


生瀬駅からすぐ国道176号線にぶつかるので、国道沿いを進むと、ほどなく県道51号線の分岐があります。
旧街道は県道51号線をそのままトレースしているので、県道へ入ります。
この分岐にも道標があったのですが、探索時は国道の改良工事をしており、工事用の壁に阻まれあるのかどうかも含めわからない状況。
工事が終わったら元のようになっていればいいのですが・・・


県道に入ると早速本格的な上りが始まります。
旧街道は並行する太多田川沿いを通っていたようですが、今は見る影もありません。


六甲山地の縁に入ったので、段々と道は険しくなり、九十九折れのきつい道になってきました。
自転車でもゼエゼエハアハアと息も絶え絶えに上って行くような状態です。
昔の人達はここを歩いて越えていたのですから、もう頭が下がる思いです。


九十九折れの途中に蓬莱峡のバス停がありました。
この近くで川沿いを通っていた旧街道は県道に合流したようです。


急な坂道をさらに頑張って上がっていくと、船坂という所でいったんサミット。
頂上の手前には道標があり、旧街道のルート沿いに来ていたことを物語っています。

船坂からは山の稜線沿いに進み、緩やかなアップダウンの繰り返しになってきます。
何回かのアップダウンを乗り越え、芦有ドライブウエイとぶつかる交差点が有馬温泉の入口です。

県道をそのまま進んでも温泉街には着けるのですが、今回は街道をトレースするのが目的なので、県道を離れて温泉街の上の方を少し進みます。
メープルホテル有馬付近まで来たら温泉街の中心部へ向かってダウンヒルです。

有馬温泉は六甲山地北側の斜面に張り付くように旅館やホテルが立ち並んでいるので、かなりな急坂を下ることになります。
しかし温泉街で人や車も多いので慎重に進みましょう。


ありまひょ~えのこ~よ~かくへ♪のCM(関西人にしかわからない・・・笑)で有名な向陽閣まで下りてくると平坦になり、温泉街の中心部になります。
折角なので、温泉街中心部を軽く回ってみます。


公衆浴場の金の湯銀の湯をはじめ、コロナ禍といえども多くの人で賑わっています。
昔からの温泉街らしく、味のある古い建物も残されており、雰囲気も抜群ですね。
金の湯の前には道路元標もありました。


太閤橋まで来て先ほど分かれた県道に合流。
ここから有馬街道は三田方面へ向かうルートと神戸方面へ向かうルートに分かれます。
今回は神戸方面へ。

神戸方面への街道は、基本的に県道51~県道15と同一ルート。
神戸のベッドタウンとして宅地化が進んでいるので、実際通ってみるとあまり風情はありません。

谷上駅を過ぎると、街道は国道428号線をトレースするルートになりますが、宅地化された中を通るのは変わりません。


鈴蘭台から六甲の縁をすり抜けて神戸市街へ下っていくところだけ、宅地がなくなり山の雰囲気が残っていました。
 

それでも旧街道の趣はなく、平野地区まで下りたところで有馬街道の印が出てきたくらいです。
とはいえ、これも当時のものではないのであまり風情は感じられないですね。


さらに下って高速神戸駅付近で西国街道にぶつかると、この有馬街道も終点。
その交差点にも有馬道という名前が付けられ、街道の存在を示していました。

神崎川のスタート地点から約50キロほどの行程でしたが、有馬街道は温泉街まではとても風情のある街道で入っていても気持ちのいいルートでした。
温泉街から神戸まではあまり街道の痕跡が残っていなかったのは残念ですが、前半がすごく良かったのでそこだけでも通ってみる価値がありますね。

有馬街道探索はこれにて終了。

今度は有馬街道の間道をご紹介します。